藍麦のブログ新館

アニメとダンス&ボーカルグループの東京女子流さんを中心に書いてます

本[は]◆〈ベルーフ〉シリーズ

「真実の10メートル手前」米澤穂信★★★★☆

10m

「真実の10メートル手前」米澤穂信
東京創元社 ISBN:978-4-488-02756-8

はい、ますます書けていませんが、本や漫画の感想を補填しましょうシリーズです。藍麦お気に入りの作家さんである米澤さんの新刊です。いや、新刊と言っても発売は12/末でとっくに読み終わっていたのですが、感想をさぼっていました。感想をさぼっているものは、他にもたくさんあるので(『三月のライオン』とか『ちはやふる』とか・・)、そろそろ頑張らないといけないのですが。

米澤さんは、デビュー作である『氷菓』からずっと読んでいて、ある本を除けば新刊で読んでいます。一番のお気に入りは、〈小市民〉シリーズなんですが、もちろんアニメになった〈古典部〉シリーズもお気に入りです。

そしてこの「真実の10メートル手前」は、年末にミステリランキングを完全制覇した「王とサーカス」、そして「さよなら妖精」に続く〈ベルーフ〉シリーズの第三弾になります。で、実は発売すぐに読まなかったのがその「さよなら妖精」だったりします。(苦笑)

ちなみに〈ベルーフ〉シリーズの感想はこの辺りに書いています。〈ベルーフ〉シリーズは「王とサーカス」が、「さよなら妖精」が出てから10年ぶりの新刊でした。それでも、「さよなら妖精」から、実は間にはぽちぽちと短編が出ています。そのぽちぽちと出された短編を集めたのがこの「真実の10メートル手前」になります。

とまぁ、それは置いておいて感想を書いておきます。

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「王とサーカス」米澤穂信★★★半☆

King

「王とサーカス」米澤穂信
東京創元社 ISBN:978-4-488-02751-3

はい、先週は書き損ねましたが、本や漫画の感想を補填しましょうシリーズです。藍麦お気に入りの作家さんである米澤さんの新刊です。いや、新刊と言っても発売は7/末だったんですが、仕事が色々と忙しくて出張も多く、ハードカバーを持ち歩く余裕がなくて、遅くなってしまいました。

米澤さんは、デビュー作である『氷菓』からなぜかずっと読んでいて、ある本を除けば新刊で読んでいます。一番のお気に入りは、〈小市民〉シリーズなんですが、もちろん〈古典部〉シリーズもお気に入りです。そのほかにも、〈S&R〉シリーズなどがあります。

そしてこの「王とサーカス」は、「さよなら妖精」に続く〈ベルーフ〉シリーズの第二弾になります。で、実は発売すぐに読まなかったのがその「さよなら妖精」だったりします。(苦笑)

ちなみに「さよなら妖精」の感想はこの辺りに書いていますが、このときには、これがシリーズになるとは考えずに感想を書いていますね。〈ベルーフ〉シリーズは、「さよなら妖精」が出てから10年ぶりの新刊ですが、第二弾が雑誌に掲載されたのが2007年ですから結構時間が経っていますが、実は間にはぽちぽちと短編が出ています。年末には、まとめた短編集が出るらしいので、楽しみにしたいと思います。

とまぁ、それは置いておいて感想を書いておきます。

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「さよなら妖精」米澤穂信★★★☆☆

I1kq5apq 「さよなら妖精」米澤穂信
創元推理文庫 ISBN:4488451039

図らずしも、米澤穂信のミステリが2本並びました。きっと東京創元社の米澤穂信を売らんかなの策略に嵌まっているのでしょう。
そんなことしなくても、文庫は全部持っているのに、あ、半分は角川文庫か(笑)。
ということで。

あらすじ:
時は1991年4月。時代が大きなうねりを打ち始めたころ。
守屋路行が住む藤柴市には、長雨が降り続いていた。

彼は、雨宿りをしていた一人の少女に出逢う。彼女の名前は、マーヤ。日本のことを学ぶため、ユーゴスラビアから来たという。

彼女は、守屋たちに常に問いかける。「哲学的な意味はありますか?」

彼女が自分たちの国に新しい何かを見出すため、何かを学びとろうとするその言葉は、守屋たちの周りにある謎を炙りだす。

そして、そんな彼女に、彼女が作り出そうとする新しい何かに、守屋は惹かれていく。

しかし、彼女の滞在期間である2ヶ月はすぐに訪れる。内戦が勃発した母国に帰ろうとするマーヤに対し守屋は...。

感想:
世間一般では、米沢穂信の出世作らしいです。でも『氷菓』のころから彼の作品を読んでいた藍麦としては、ちょっと違うなぁという感じです。

米沢穂信は、本格ミステリの中でも北村薫の流れを汲む「日常の謎」と言われるジャンルを得意にしている作家です。でも、彼の作品が他の「日常の謎」作家と違います。
どこかと言うと、簡素とも言える余分なものをそぎ落とした文章でしょう。言い換えれば文章に暖かみがない。冷めているといってもいいかもしれません。ハードボイルドに近いかもしれない。

登場人物もどこか冷めた高校生が中心です。今回も守屋も太刀洗も、そして実はマーヤも熱くなれないどこか冷めたところのある青年ばかりです。そんな彼らを最後まで救いを与えずポーンと突き放して足掻かせる。それが、米沢穂信の作品に共通する流れです。

今までの作品(あ、「さよなら妖精」は単行本の文庫化だから時期的には少し前ですね)では、その文章とジャンルとのミスマッチを楽しめたのです。でもこの作品では、物語りの重心がミステリから青春ドラマに移っている気がします。なので、ミステリ至上主義者の藍麦とは噛み合わない。
謎解きはおまけで、謎解きもなっていませんからね。むしろ謎解きを最後の一つだけにして短編にしてしまった方が、藍麦の好みに合ったかも。別に藍麦の好みに合わせて小説を書く必要はありませんが。

でもこれも、米沢穂信への藍麦の期待が大きいから出てくるグチかもしれません。小市民シリーズの続きを早めにお願いします(笑)。

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