藍麦のブログ新館

アニメとダンス&ボーカルグループの東京女子流さんを中心に書いてます

本[藍]◆藍麦の周辺ミステリーひょ〜ろん

「青年のための読書クラブ」桜庭一樹★★★☆☆

Nesjrrf3 「青年のための読書クラブ」桜庭一樹
新潮社 ISBN:978-4-10-304951-7

どうやら、「赤朽葉家の伝説」が、第137回直木賞候補になったらしい桜庭一樹さんの新刊です。
まぁ、来週には結果が出るので多くは語りませんが、文藝春秋が当然強いので、受賞は難しいと思います。


とりあえず、あらすじを出版社ページから引用&改訂します。

あらすじ:

東京・山の手に広々とした敷地を誇るミッション系女子校、聖マリアナ学園。お嬢様学校として名高い学園において、異端者(アウトロー)だけが集う「読書クラブ」には、長きに渡って語り継がれる秘密の「クラブ誌」があった。そこには100年前の学校創立に隠された真実や、学園史上抹消された数々の珍事件などが、名もない女生徒たちによって脈々と記録され続けていた――。

感想:
どうして「青年のための」なのか。そこがポイント?

う〜ん、桜庭さんはどうも一つのパターンを繰り返す癖があるのか、これも100年の歴史という構成が「赤朽葉家の伝説」に似ていますね。

内容的には、桜庭さんなので、ミステリ色がある藍麦好みの内容なのですが、如何せん構成が似ているのでどうしても「赤朽葉家の伝説」と比較してしまって薄い印象がありますね。面白くないわけではないけれど。

いっそのこと、「聖女マリアナ消失事件」の登場人物を使って、50年の歴史にして視点を固定した方が良かったかもしれません。
読書クラブの記録というのは、最後の最後に生きてくるのですが、それまでは今一つピンとこなかったので。

どうやら、ピンとこない理由に、登場人物の感情が表に出てこないというのがありそうです。読書クラブの第三者が執筆者となっているので、そうなっているのだとは思いますが、ちょっと残念です。

ということで、ハードカバーもいいけれど、早く『荒野の恋』の最終巻書いてくださいよ。お願いします。

「赤朽葉家の伝説」桜庭一樹★★★★☆ 

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東京創元社 ISBN:978-4-488-02393-5

ライトノベルスから大人小説にステップアップして、野生時代の巻頭特集にもなり、これからは出版界、特にミステリ系の一大看板になるであろう桜庭 一樹です。
昨年スマッシュヒットした『少女七竈と七人の可愛そうな大人』を重厚にしたというイメージで読み始めたのですが、さてどうでしょう。


とりあえず、あらすじを出版社ページから引用&改訂します。
あらすじ:
「山の民」に置き去られた赤ん坊。この子は村の若夫婦に引き取られ、のちには製鉄業で財を成した旧家赤朽葉家に望まれて輿入れし、赤朽葉家の「千里眼奥様」と呼ばれることになる。

これが、わたしの祖母である赤朽葉万葉だ。

千里眼の祖母、漫画家の母、そしてニートのわたし。高度経済成長、バブル崩壊を経て平成の世に至る現代史を背景に、鳥取の旧家に生きる3代の女たち、そして彼女たちを取り巻く不思議な一族の血脈を比類ない筆致で鮮やかに描き上げた渾身の雄編。

感想:
でも、やっぱりこの物語はミステリです。謎解きだもの。

まだ読んでいない人のために詳しくは説明しませんが、三代記と言いながら一本通った謎が最初に提示され、最後にその謎が解かれる形を採っています。

小説は、3部構成になっており、それぞれの女を巡る物語が、細かいエピソードをつないで、時系列に語られていきます。語り部はわたし「瞳子」。そして祖母「万葉」が千里眼で見た光景が、瞳子の謎解きとリンクして収束していくところはとても綺麗です。

小説自体は、昭和からの時代史の様相も持っています。万葉の時代は、戦後直後ということで、民俗学が通用するような、神話と融合したような話が積み重ねられていきます。娘の「毛毬」は、世の中が急転する時代で、その時代が物語の背景として流れていきます。そして、現代の瞳子へと続くわけです。

万葉の話は非常に面白いです。今までの桜庭さんの小説とも違う雰囲気で、こういう小説も書けるんだと思いました。でも、はっきり言って、毛毬の部分がいけません。いっそなければもっと面白いのにという感じです。

一つには、藍麦が生きてきた時代でもあるので、その説明を桜庭さんの視点で事実のように提示されても、見方が合わないとシンクロできないのだと思います。
さらに、変に今までの桜庭さんの物語に近い雰囲気がある章なので、今までの彼女の小説と比べて内容を薄く感じてしまうのでしょう。

ただ、全体を通すと面白いです。読み終わるのが惜しい気になったのは、久しぶりでした。

ということで、藍麦の好きな桜庭作品を考えてみました。

1.『推定少女』ファミ通文庫
やっぱり、桜庭さんといえば普通でいながら実は崖っぷちにいるような「少女」を書かせると右に出るものはいないですね。


2.『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』
『少女には向かない職業』が知名度では一番でしょうが、あれはこれの焼き直し別バージョンという気がします。


3.『少女には向かない職業』
でもやっぱりこれも好きなのであった。


早く『荒野の恋』の最終巻出ないかなぁ。

「ヘルファイア・クラブ 上/下」ピーター・ストラウブ★★★☆☆

Ordxaplg 「ヘルファイア・クラブ 上/下」ピーター・ストラウブ
東京創元社 創元推理文庫 ISBN:4488593054

ううう、お金がないといいながら、上下巻2500円、帯の「ストラウヴの最高傑作登場」の言葉に釣られて買ってしまいました。
ぐぎぎぎ。

ということで、察しの良い方はお分かりでしょうが、この本はホラーではないですね。だから、エントリも「周辺ミステリーひょ〜ろん」になっています。
そろそろ、ホラー評論を作って、もう少し細分化してもいいかなと思っていたのですが、これはミステリーですね。

あらすじを東京創元社から引用。
『連続殺人に震える町で、ノラの友人ナタリーが寝室に血痕を残して消えた。彼女の本棚には、謎の作家ヒューゴー・ドライヴァーの、熱狂的なファンを持つファンタジー『夜の旅』が。この事件を機に、ノラは義父の経営する出版社〈チャンセルハウス〉が半世紀以上も秘めてきた、この本をめぐる謎に引き寄せられていく。だが、そのために彼女が次々に災厄に見舞われる。冤罪、離婚の勧告、そして殺人鬼の拉致! ストラウブの最高傑作登場。』

もう、ストラウヴに『ゴースト・ストーリイ』などのホラーを期待してもだめなのかもしれません。
ストーリーは、お得意のメタ構造になっていて、「夜の旅」の小説の世界(出版世界?)と絡みながら話が進んでいきます。前半は、その世界に慣れるまでとまどいますが、後半はすんなり読めます。ちょっと中だるみがあるのが惜しいかな。

ショアランズの話がでてきた辺り、つまりメタ化が進む辺りが一番分かりにくいかも。これから読む方は、そこを越えればさくさく読めますので、安心してください。

説明するとネタバレになりそうなのですが、この小説を楽しめるかどうかは、うまくノラに感情移入できるかどうかに掛かっているような気がします。ノラの旦那のディヴィーにイラついたり、ディックを訝しんだりできるかどうかで感想は変わってくると思いますので、世代がずれる10代の若い人には向かないでしょう。

藍麦としては、「夜の旅」に取り込まれてホラーというかダークファンタジーに傾く話が読みたかった気がしますが、そうなると主人公が若者でないといけませんね。

この辺りが、ホラーの巨匠キングとの違いかもしれません。キングは、若い人でもすいすい読めますから。

「蜂の巣にキス」ジョナサン・キャロル★★★半☆

Bnuic50m 「蜂の巣にキス」ジョナサン・キャロル
創元推理文庫 ISBN:4488547087

いや〜待ちましたよ。10年ぶり?いや9年ぶりですか。ついに出ましたジョナサン・キャロルの新刊です。(号泣)
おまけに、今まで文庫化されなかった「パニックの手」と「黒いカクテル」も文庫化されるようです。(喜)
おや?「天使の牙から」は?

あらすじ:
ベストセラー作家であるサムは、創作に行き詰まっていた。そんなある日、少年時代を過ごした街にぶらりと立ち寄る。そこで、彼は30年前の少年時代に発見した美少女の死体のことを思い出した。

サムは、そときの出来事を元に作品を書くことを思いついた。湧き出るアイディアに酔いしれ、事件を追っていく彼の前に現れたのは、かつて彼のサイン会に来たヴェロニカという女性だった。

必然と言ってもいいように結ばれる二人だったが、サムの小説は彼の知らないうちに思わぬ波紋を投げかけていた。

感想:
藍麦は、キャロルの「死者の書」がALL TIMESのベスト10に入るぐらい好きなので、冷静さを欠いた感想かもしれません。(汗)

いつものダークファンタジーを期待して読むと、少し肩すかしに合います。間違いなく。ミステリ的にケリがつくとか何かの紹介に書いてありましたが、ケリなんかついていません。まぁ、最後に綺麗に決着がついてはキャロル作品ではありませんしね。

ただ、いつものキャロルの語り口は健在です。特に前半の幸福感の盛り上げ方はさすがですね。言葉の使い方も大好きです。
あと、人間関係というか人の絡ませ方も上手いです。それぞれ一癖ある人たちが、時間を超えて複雑に絡み合うのは、普通なら特に翻訳本となると混乱しがちですが、するすると読めます。というか、止まらない!そして、その勢いで読んでいると、中盤からはいつの間にか前半の幸福な出来事がことごとく覆されていくのも、いつものキャロル節ですね。

<以下、本の中身に言及している部分があります。未読の方はご注意を>

途中で、これはキャロル「の」大ファンというキングへのオマージュかなとも思いました。そう「ミザリー」ですね。でも、全然違いました。解説で豊崎女史がクックと言っていましたが、違うでしょう。やっぱり、キャロルはキャロルです。

死んだ「蜂の巣」というあだ名の少女と対を成すようなヴェロニカの造形。そして、まさに「入り組んでいて、せわしない。いつも飛び回っていて、その気になればいやというほど刺せる」とうい「蜂の巣」は、ヴェロニカにこそ合っていそうです。しかし、そんな彼女もポンと殺してしまう。どんでん返しとも違うそんなひっくり返し方は、キャロルの独壇場ですね。こうあって欲しいという方には絶対に転がらない。(笑)

また、キングはどんどん読者をその世界の中へと引きずり込んで行くのに対して、キャロルは前半で中へと招いておいて、入って行くと実は外から眺めていたというような書き方です。それは、彼が作中作や映画などを良く作品に登場させることと不可分でしょう。今回の「蜂の巣にキス」でも、サムのドキュメンタリーが出てきますが、それを見ている姿を見ているサムに感情移入している読者。そうまるで「蜂の巣」のよう。

とまぁ、書いていますが、やっぱり最後に世界が壊れていくいつのもパターンがないと寂しいですね。東京創元社さん、残りも必ず出してね。

「陽気なギャングの日常と襲撃」伊坂幸太郎★★★★☆

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祥伝社ノン・ノベル ISBN:4396208138

映画公開された「陽気なギャングが地球を回す」の続編です。
映画公開を狙ったように出版されました。って、狙ったんでしょうが。

「陽気なギャング」シリーズとは、映画の煽り文句をもらうとこんな感じです。

『“人間嘘発見器”である成瀬、コンマ1秒まで正確に時がわかる正確無比な“体内時計”を持つ女雪子、口から生まれてきたようないい加減な理屈をこねる演説の達人響野と、生まれついての若き天才スリ師久遠。実生活においては何の役にも立たない奇妙な能力をもつ4人の男女が出会ったとき、ロマンあふれる犯罪計画が動き始める!』

という感じです。とにかくテンポがいい。軽妙な語り口とどんでん返しを十分に楽しめます。

今回は、第一章で「陽気なギャングの日常」が一人ワンストーリーの形で描かれ、第二章以降でそれが見事に集束するという形を採っています。まさに、伊坂得意の構成ですね。そういう意味でも安心して読めます。

そして、安心してください。ここしばらく重いテーマに流れて、あまり見られなかったどんでん返しが見事に着地しています。あまりに見事すぎて、第一章から読み直してしまいましたよ。あれが伏線だとは。

まぁ、きっとご都合主義だという人がきっといると思いますが、エンターテイメントとして楽しんで読むのが正解だと思いますよ。きっと、柔道部のシーンでは、大笑いできるでしょう。どんな場面かは、読んでのお楽しみに。

藍麦は、この「陽気なギャング」シリーズが、他の伊坂本と一線を引いているのは、きっと響野のおかげだと思います。成瀬とか雪子は、伊坂得意のキャラクターですよね。そうでない響野がしゃべりまくることで、このテンポが生まれてきている気がします。ってかなり当たり前のことを書いているなぁ。

この小説を読むと、映画版が見たくなってきてしまいました。でも、佐藤浩市の響野ってちょっとイメージが違うな、大丈夫かなぁ。鈴木京香の雪子は、意外にぴったりかも。少し老けている気がしますが。(汗)

で、絶賛しているのに☆一つ足りないのは、ギャングシーンが少なくて、響野の演説が喰い足りなかったからだったりします。「田中さんに頼りすぎ!」だからではないですね。(笑)

「エンド・ゲーム〜常野物語〜」恩田 陸 ★★★☆☆

K1rmosq1 「エンド・ゲーム〜常野物語〜」恩田 陸
集英社 ISBN: 4-08-774791-3

またまた直木賞を逃した恩田さんです。
公式サイトはここです。常野だより

粗筋を説明するとネタバレになるので書きませんが、今回の登場人物は「光の帝国」でも出てきた拝島一家ですね。

まぁ「光の帝国」は短編集なので、その分「エンド・ゲーム」の方がしっかり書き込まれている、かというと、読み終わった感想は、「光の帝国」の方が沢山読んだ〜って感じでしたね。

それは、この「エンド・ゲーム」の構成に原因があると思います。登場人物たちがそれぞれの視点で同じ世界を見ている様子を、それぞれの視点で描写する、もしくは、それぞれの視点で周りの他人を見ている自分を描写するという、多重構造の箱のような構成なので、あまり大きなイベントがなく量的には少なく感じるのだと思います。
まさに、小説の構造自体が「裏返す」様子を表しているとも言えます。

でも、あんまり面白くないんだよね。気合を入れて読まないと、裏側なのかどうか分からなくなるような、確かに凝った構成だとは思うし、こういうお話が好きな人はいると思うんだけれど。やっぱり最近の恩田作品に共通する「放り出された」ような読書感が良くないと思う。本当に読者に結果を預けているというのではなく、ぽ〜んと投げ出してしまっている感じですから。

でもまぁ、これも一つの「常野物語」なので、このシリーズが好きな方はぜひというところかな。

「魔王」伊坂 幸太郎★★★☆☆

Kcmbn7z8 「魔王」伊坂 幸太郎
講談社 ISBN:4-06-213146-3

伊坂 幸太郎なので、ハードカバーで買ってしまいました。でも、ハードカバーで1300円は安いよね。しかも伊坂幸太郎だよ。ね、ねっ?
ということで、ハードカバーで買ってしまったことを後悔しつつの書評です。

はっきり言って、これをミステリー評論に分類することに無理がありそうです。今までの伊坂幸太郎本の中で、一番ミステリー色が薄いです。「魔王」と「呼吸」という連作短編で構成されており、一応、謎のようなものが出てきてその謎解きらしいものもされますが、やっぱりミステリーぢゃないよね。

「犬養」というカリスマ的魅力を持った政治家をスケープゴードにして、安藤兄のぐるぐる巡る考えの迷宮を超能力をソースにして料理してあるのが「魔王」。

その後総理大臣にまで上り詰めた「犬養」を同じようにスケープゴードにしながら、安藤弟の考えと決意を他人の視点から描いて見せたのが「呼吸」。こちらも超能力がスパイスとして加えられています。

両方の話しに通じて出てくるキーワードが、「ファシズム」ですが、伊坂幸太郎本人によると、特に政治小説を書こうとか、「ファシズム」をテーマにしようとかは考えていないとか。でも一読すると、「ファシズム」がテーマだよね。村上龍の『愛と幻想のファシズム』なんていう「ファシズム」をテーマにした強力な小説があるけれど、「ファシズム」を伊坂風に料理するとこうなるというのなら納得できたかもしれない。でも、彼は「ファシズム」がテーマではないという。

じゃあ、何がしたかったんだというと、見事にわかんないんですよ。

ただ言えることは、今までの伊坂幸太郎の本とは違うということです。
伊坂幸太郎というと、張り巡らせた伏線が、それが短編集であろうと最後に見事に集約していくというところに特徴があったと思います。また、それが決して明るい、ハッピーエンドでなくても爽快感に繋がっていたとも思います。しかし、この小説にはそれがありません。確かに伊坂風の独特のキャラクターは出てきますが、それだけです。

で、藍麦が伊坂幸太郎の小説に何を求めているかというと、先の見事な着地なんですね。それが好きで読んでいます。

ということで、この「魔王」は余り評価しません。政治小説だと言ってくれれば、星もうひとつ上げてもいいんですがね。

「死神の精度」伊坂 幸太郎★★★★☆

Lgccrwv_ 「死神の精度」伊坂 幸太郎
文藝春秋

伊坂 幸太郎は、藍麦が今一番好きな作家の一人です。ミステリに分類すると違和感がある人も多くいるでせうが、この本の中の表題作「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞短編部門を受賞しているからまぁいいでしょう。

内容紹介を文藝春秋から引用させてもらうと、「ある時は恋愛小説風に、ある時はロード・ノベル風に、ある時は本格推理風に……様々なスタイルで語られる、死神の見た6つの人間模様」ということになります。

なんのことやらって感じですが、「死神」−指定された人間の生死を判断すること−を職業とする男が、指定された6人の生死を判断する際に見たこと(感じたことではない)を綴った物語です。6つの短編からなっていますが、伊坂作品らしく、その短編構成に仕掛けがあり、最後に見事に集束して行きます。

で、感想です。
確かに面白いのですし、世の中では絶賛のようですが、藍麦が伊坂作品に対する期待度は、ひじょーに高いのでいま一つかなと思ってしまいました。理由は恐らくその文章のスタイルにあります。6つの短編がその設定に合わせて、違ったスタイルで書かれていますが、それがばらついた印象を与えてしまっていると思うのです。特に「吹雪に死神」は、ミステリファンの藍麦が甘く見てもやりすぎだと思います。

雰囲気的には、映画の「ベルリン天使の詩」が近いと思うので、全体をロード・ノベル調で通せば良かったのではないかなぁ。

ただ、伊坂が全体に仕掛けた「××」トリック(自主規制)は見事に決まっていますので、読んで損はないです。また、最後の短編の海辺のシーンには絶対に感動します。[E:smile]

恒例(?)の「伊坂 幸太郎」作品の藍麦的ベスト3を選ぶと...

1.ラッシュライフ
同じく短編構成ですが、・・見事なミステリーです。
2.グラスホッパー
殺し屋の物語ですが、ラッシュライフよりミステリーではありません。
3.陽気なギャングが地球を回す
「オーデュボンの祈り」でも「アヒルと鴨のコインロッカー」でもいいです。(^_^;

「蒲公英草紙〜常野物語〜」恩田 陸 ★★★☆☆

本屋大賞を受賞し、直木賞の最有力候補になっている恩田さんです。

「蒲公英草紙〜常野物語〜」恩田 陸 集英社

公式サイトはここ。常野物語

ん〜、どこを見ても大絶賛の嵐なのですが、藍麦的にはもうひとつかと。「光の帝国」はもう、大好きだったのですが。いえ、「蒲公英草紙」も悪くないのですよ。というか、プロローグとエピローグがなけりゃ、いやないと変か、違っていたなら絶賛していたかもしれません。

どうも、最近戦争に絡めてという話が安易に見えてしまって、よっぽどうまく処理していないと拒否反応を示してしまうのですよ。今回のエンディングは、やっぱり安易だと言わざるを得ないと思います。(というか、ラストにひねりを期待するミステリ体質が悪いのかも。[E:shock])

ちなみに、藍麦が好きな恩田陸もの(?)ベスト3です。

1.「六番目の小夜子」新潮文庫
いや〜、鈴木杏ちゃんも大好きですが、原作の雰囲気とドラマは別物でしたね。ドラマはドラマでありかと。
このころは、「不安な童話」、「球形の季節」もあってホラー畑の人かと期待していました(?)

2.「麦の海に沈む果実」講談社
「三月は深き紅の淵を」の続編ですが、どっちから読んでもOKかと。藍麦は、こちらの方が好きです。常野とは別の恩田さんのシリーズ作品。

3.「月の裏側」幻冬舎
ああ、なんとハードカバーで買っています。恩田さんの本はかなりハードカバー購入です。(^_^;
これは、恩田版「屍鬼」だと思います。読んだ瞬間よりも後から気になるのは、恩田さんらしいというか、そういうもやもやっていう感情を醸し出すのが恩田さんの得意技だと思います。

いかがでしょうか。書いている途中で、「三月は深き紅の淵を」の方が上のような気がしてきました。(^_^;
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