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「惑カロン」初野 晴 
角川書店 ISBN:978-4-04-110476-7-C0093

最近ちょっとアニメの感想しか書いていなかったのですが、そろそろその他も書いておかないと追いつけなくなって来たので、ぼちぼちと穴埋めしていきたいと思います。

ということで、青春ミステリ、“ハルチカ”シリーズの第五弾です。ずいぶん前に読み終わってました。米澤穂信さんの〈古典部〉シリーズ(「氷菓」)がアニメになって注目されましたが、恐らく同じような立ち位置のこのシリーズも、この冬からアニメ化です。

アニメ化は、まぁ見てのお楽しみなんでしょうが、どうもキャラデザが全然イメージと違うので、かなり心配です。いや、間違いの内容に書いておきますが、キャラデザの西田亜沙子さんは大好きなのですよ。ただ、この作品には合わないと思います。

それは置いておいて、この“ハルチカ”シリーズも間が空きました。約3年半ぶりですか。その前は1年から1年半ぐらいで出ていましたし、かなり前からタイトルは『惑星カロン』だと予告されていましたから、何かあったのではと心配しました。まぁ、恐らくは連載の関係ですかね。初野さんは、兼業小説家のはずなので、お仕事の関係かもしれません。

さて、表紙はうーん、今一つだなぁ。なんでこの女の子、こんなに薄っぺらいんだ?

ということで、感想行きます。

ということで、出版社から粗筋を引用しておきます。

あらすじ:

コンクールと文化祭を経て、ちょっぴり成長した清水南高吹奏楽部。更なる練習に励む中、チカは「呪いのフルート」に出会い……!?

楽器に秘められた謎、音楽暗号解読、旧校舎の怪事件。

珠玉の青春ミステリ最新刊!

感想:

さてさて、“ハルチカ”シリーズの詳細は、ここの辺りの記事に書きましたので、そこを見ていただくとしましょうか。

この“ハルチカ”シリーズは、最近ちょっと来ている感じがある吹奏楽部を舞台とした日常ミステリの佳作です。うちの家族は、奥の方がクラリネット、上の子がトロンボーンと吹奏楽一家なので、親近感があります。

さて、シリーズの吹奏楽部としては、二つ前『空想オルガン』がコンクールだったので、ひとまず切りがついた感じです。ただ、この前の『千年ジュリエット』が、ちょっと文化祭ということで、吹奏楽部の活動としてはイレギュラーで、三年生もいなくなり、今回から部活動は新しくスタートする感じでしょうか。

ということで、連作短編なので、それぞれの短編の感想を書くことにします。

<以下、本の中身に言及している部分があります。ネタバレはしないつもりですが未読の方はご注意を>

「チェリーニの祝宴 -呪いの正体

久々にチカちゃん自信の事件ですか。

アンサンブルコンテストにハルタを始め錚々たるメンバーと共に出ることになったチカちゃんが、スランプに陥るお話し。そう言えば、ソロコンとかもありますね。結構身近な話題で、最初は共感しました。

中盤からは、ある楽器に関わる呪いのお話しです。

ミステリとしては、どうなんでしょう?ミステリと言っていいのかな?

「ヴァルプルギスの夜 音楽暗号

「ヴァルプルギスの夜」というと、某アニメを思い出すわけですが、それとは全く関係ございません。芹澤さんが活躍するので、結構楽しかったです。

暗号ミステリなんですけれど、小説でそんな暗号をやっても、盛り上がらないんじゃない?というような内容ではあります。面白かったけれど。

ラストの暗号は簡単なので、どうしてラストが解けなかったのか不思議です。

「理由(わけ)ありの旧校舎 学園密室?

吹奏楽部のお話しではなく、文化部全体といいますか、生徒会が中心となるお話しです。

ハッキリ言って、結構最初から二段のどんでん返しの両方ともわかっちゃいました。もう少しうまく隠しても良かったかなという感じです。

たぶん、結構な人が少なくとも最初の謎は解けるのでは?

◇「惑星カロン 人物消失

表題作で、今までのシリーズ通り一連の短編がここに集約するという、連作短編のパターンラストという感じではありますね。

ラストということで、今までのシリーズと同じように、第三者が“ハルチカ”たちというか、草壁先生にどう絡んでいくかという部分が楽しめました。

ただ、青春小説としては楽しめましたが、あまりミステリとして成立していない感じです。というか、このシリーズを本格ミステリにしていく気が、もうあまり初野さんにないように思います。ライトなミステリとしてはありなんでしょうが。

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自分としては、“ハルチカ”を始めとする吹奏楽部がますます活躍しないこともあって、いま一つ楽しめなかった感じがあります。

もう少し、吹奏楽部にお話しを戻して欲しいなぁ。