「ビブリア古書堂の事件手帖 6 ~栞子さんと巡るさだめ~」三上 延
メディアワークス文庫 ISBN:978-4048691895
最近、本の感想を書くのを結構忘れています。漫画の感想も書いていないですね。ちょっと忙しくてというのもありますが、歳をとったためか、それほどのめり込む本ががないからかもしれません。この本も12月に発売されていますので、1ヶ月経っていますね。
それはそうと、『ビブリア古書堂の事件手帖』ですが、この前発売されたのが去年の2月ですから10ヶ月ぶりですか。
この前の5巻が一つの区切りになっているので、ここからがどうやら終盤ということになるようです。栞子さんとの関係も進んで、色々と変化があるようには見えます。
ということで、少し前に読んで忘れているところもありますが、ひとまず感想を書くことにします。
とりあえず、あらすじを出版社ページから引用&改訂します。
あらすじ:(公式より引用)
太宰治の『晩年』を奪うため、美しき女店主に危害を加えた青年。ビブリア古書堂の二人の前に、彼が再び現れる。今度は依頼者として。
違う『晩年』を捜しているという奇妙な依頼。署名ではないのに、太宰自筆と分かる珍しい書きこみがあるらしい。
本を追ううちに、二人は驚くべき事実に辿り着く。四十七年前にあった太宰の稀覯本を巡る盗難事件。それには二人の祖父母が関わっていたのだ。
過去と現在、まるで再現されるかのような奇妙な巡り合わせに、薄気味悪さを感じる二人。それは偶然か必然か? 深い謎の先にある真実とは?
感想:
ビブリアとは、ラテン語で「本を愛する人」の意味だそうです。ビブリオとは、書籍ですね。
前巻までで一区切りついたということで、この6巻からは、終盤に向けての畳み込みとなるようです。
この6巻では、第1巻から繋がるエピソードとなっています。そのため、今回取り上げられたのは、再びの「太宰 治」でした。
一応、3章構成になっていまして、「走れメロス」⇒「駆込み訴へ」⇒「晩年」というものになっています。ただ、今までのように連作短編かといわれると、それぞれの章に小さな謎解きは、一応ありますが、やはり長編という感じです。
で、今回もまた謎解きはあるようでないようなという感じです。ある仕掛けがあるので、一応ミステリだとは言えると思いますが。それでも、第2章の「駆込み訴へ」の謎解きは、面白かったかな。
ただ物語りの一番の謎は、やはり「晩年」の本を追い求める理由なんでしょうね。それが明らかになる部分に、先のある仕掛けがあるわけですが、まぁ本筋とは関係ないので、冗長な感じがします。後味もちょっと悪いですし。
ただ、大輔と栞子さんの関係が進んだので、そういうキャラ小説として読む分には楽しいかも。