「終物語(下)」西尾 維新
講談社 ISBN:978-4-06-283868-9
いよいよ、〈物語〉シリーズも終盤ですね。
テレビアニメは終わりましたが、もうアニメ版はあまり真剣に追っていない状態です。映画の『傷物語』がどこかに飛んでしまったことで、まぁどうでもいいかという状態になってしまっています。困ったものです。
ちなみに、テレビアニメは、5/31から5週連続で『花物語』が放映されるようです。はい、テレビ放送です。さすが人気コンテンツですね。
と前回、前々回の感想と似たような始まり方をしてみたところで、〈物語〉シリーズのファイナルシーズン5作目です。ただ、この『終物語』は、どうやら西尾維新せんせが書きすぎたために、上中下巻に分かれると書かれていましたが、どうやら次の『続・終物語』で本当に終わりのようです。
ということで、『終物語(下)』は、「おうぎダーク」ということで、忍野扇ちゃんのエピソードという感じです。
その辺りの書評は、「続き」から書いていきたいと思います。
ということで、あらすじを出版社から引用しておきたいと思います。
あらすじ:(出版社から引用)
“それがきみの――青春の終わりだ”
大学受験当日の朝、北白蛇(きたしらへび)神社へ向かった阿良々木暦(あららぎこよみ)。
彼を待ち受けていたのは、予期せぬ笑顔と最終決戦の号砲だった――
すべての<物語>はいまここに収束する……!
これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!
青春は、「僕」がいなくちゃはじまらない。
感想:
「化物語」シリーズの第3期、シリーズファイナルシーズンの第五弾です。
一応『終物語』のラストっぽかったので、綺麗にまとまるのかなと心配したのですが、お話的にはこれで終わりだよっていっていいほど、きちんとまとまっていました。
忍野 扇ちゃんの正体は、その描写がぶれたりしたことから、そういうこともあるのかなと思っていましたが、こういう結果ですか。
ということで、念のために注記を。
<以下、本の中身に言及している部分があります。なるべくネタバレにはならないようにしますが、未読の方はご注意を>
さてさて、そういうことという扇ちゃんの正体は、暦でした。
正体がわかればと言われ始めたところで、もうこの人しかないというところですよね。ミステリならば、容疑者がこの人しかいないという状態ですし。(苦笑)
内容的には、全てが収まるところに収まりましたし、撫子ちゃんや月火ちゃんとかオールスターキャスト的な登場があったり、ラストにあの人たちが登場してまとめるところもラストに相応しい感じです。
本当にご都合主義かと言われてもいいぐらいに、全てが丸く収まっているので、上手くまとめすぎではないかという感じがするぐらいです。
なので、ちょっとカタルシスがないという気がします。その辺りは、本当のラスト『続・終物語』でクリアされるんでしょうか?
まあ、臥煙さんみたいなキャラがいる時点でそう言われてもいいと思います。
羽川にしても……南極って……そこに「あの人」いることに気づけたとしても、どうやって行ってきたのやら……?w
八九寺の扱いに関しては、なかなか上手い落としどころだと思いました。