Hk2 氷菓 第二十二話「遠まわりする雛」です。

アニメ版『氷菓』も、今週で最終回らしいです。まぁ、お話しからすると、『ふたりの距離の概算』よりも、絶対に『遠まわりする雛』の方が最終回にふさわしいお話しですから。恐らくは、短編集ということで、その本を総括するお話しになっているから、そう感じるのだとはおもいますが。

大好きなシリーズ小説が原作なので、ちょっと応援記事を書いてみてみたりしています。もう少し書きたいと思っていましたが、結局書けませんでした。

『氷菓』とミステリについて論じてみようかと(第1話終了時点)

『氷菓』とミステリについて論じてみようかと(その2)(第2話終了時点)

『氷菓』とミステリについて論じてみようかと(その3)(第4話終了時点)

ところで、〈古典部〉シリーズだけでなく、作者の米澤穂信さんが今の日本のミステリ作家の中で一番のお気に入りだということもありますので、当然原作感想などもありますよ。

原作の感想はこの辺り
えるちゃんイラストはこの辺り

さて、「遠まわりする雛」は、恐らく〈古典部〉シリーズというより米澤さんのお話しの中でもトップクラスに情景が綺麗なお話しです。その辺りを京アニがどう処理してくれるのかを楽しみにしたいと思います。

ということで、氷菓 第22話「遠まわりする雛」感想行きます。

もちろん原作は既読です。

あらすじ:(京アニサイトから引用)

えるに「生き雛祭り」の「傘持ち」役を頼まれた奉太郎。

祭りの会場に行ってみると…、そこは戦場さながらの様子。男衆の気迫に圧倒される奉太郎。

感想:

えっと、京アニサイトでは、未だにサブタイトルを間違えて『遠回りする雛』にしていますが、ここはひらがなで『遠まわりする雛』が正しいです。

◇さて最終回らしいです

とにかく、綺麗で、ちょっと辛くてもの哀しくそれでいてほっくりくるお話しですが、上手く再現されていたんではないでしょうか。

特に絵が綺麗でした。人形行列の部分、中間のスローというかソフトフォーカスといいますか、あの場面はどうやって作ったんでしょう。長廻しのコマ撮りを、早廻ししたような感じもしますが。

後、ラストの桜ですか。エフェクトが綺麗でした。

◆私、気になります

でも、ちょっとだけ不満もありますが。

その不満とは、最終回なので、えるちゃんの「わたし気になります」を是非入れてほしかったということです。(汗)

入れるポイントは2箇所ほどありました。最初は、着付けのところ。ちょっと尺の関係か原作から変えられていたので、えるちゃんが気になっているけれど我慢している様子が端折られていました。ここで、奉太郎の脳内で「気になります」をやってほしかったんですが、尺的に難しかったかな?もうひとつは、奉太郎が「気になります」を言った部分ですね。

まぁ、尺的にというのであれば、準備の男衆の場面をいじればいいのでしょうが、大御所声優さん方を呼んでしまったので、出番を削ったりできなかったんでしょうか。いや、田舎の祭りの雰囲気を出したかったのかもしれませんが、祭りの裏はあんな優しい雰囲気ではないですよ。もっと、殺伐として喧嘩腰ですから。(苦笑)まぁ大阪の某有名祭り市出身なので、参考にはなりませんが。

◇ミステリとしての「遠まわりする雛」

さて、今回の短編は、ミステリとしては、本当に大したことはありません。「Who done it」なんでしょうが、それはもう消去法で分かりますよね。

そうか、誰が犯人かを迷わせるために、男衆のやり取りが必要だったということですか。なら中竹辺りをもう少し若くてモブ顔でない描写にすべきでしたね。

◆青春群像劇としての「遠まわりする雛」

さて、見てお分かりの通り(?)、このお話しは「手作りチョコレート事件」とセットです。どうセットかというと、奉太郎が里志の心境にこの回で思い至るということからですね。なので、先週ののあの後半が、今週のラストに大きく効いてくるわけです。あのラスト間近での先週の映像のカットインがなければ、ずいぶん印象は違いますからね。あれがあって、ほろ苦さが上手く増したという感じでしょうか。

それがなければ、「言っちゃえ言っちゃえ」で終わりそうですからね。

Hk3 ただ、今週の摩耶花の台詞は余計だったかなと思います。最終回なので、彼女にも何か語らせたかったンでしょうが、あそこで語るよりも、どうなったんだろうって思わせていて欲しかった気がします。原作とアニメで的な話ではなく単に好き嫌いレベルのことですので。

---------

さて、今週のエンドテロップは、先週までに引き続いて「Little birds can remember」でした。直訳すると「雛は忘れない」ですね。これは、 アガサクリスティのElephant can remember」(象は忘れない)のタイトルのパロディです。「象は忘れない」は、象の記憶力がいいことからの寓話ですね。クリスティの晩年、ポワロ最後の作品です。

覚えている人は皆無だと思いますが、第七話の感想に、後でこのパロディの意味を解説しますと 書きました。なので、ちょっと書いておきましょう。

この『象は忘れない』は、過去の罪がずっと後を引くといいますか、そういうお話しです。クリスティ晩年の得意技とでもいいますか。なので、原作ではこの『遠まわりする雛』全体が1年生冒頭から時間が流れるお話しになっているわけですね。

そう思って見ていくと、この『遠まわりする雛』の短編が、最終回にふさわしいものに思えてきます。そういう観点で、『遠まわりする雛』の短編だけを拾いながら全体を見直しても楽しいかもしれません。例えば、この言葉が初めてであった二人のことを暗示しているのかもとか・・・。あと、第1話に「やるべきことなら手短に」を使ったのはこのためだったのかとか。

そして、綺麗に終っているとはいえ、続編が見たい気もしますね。

■アニメ特別感想はここ

『氷菓』とミステリについて論じてみようかと
『氷菓』とミステリについて論じてみようかと(その2)
『氷菓』とミ ステリについて論じてみようかと(その3)

■小説〈古典部〉シリーズの感想はここ

「氷菓」の感想はここ
「愚者のエン ドロール」の感想はここ
「クドリャフ カの順番」の感想はここ
「遠まわりする雛」の感想はここ
「ふたりの距離の概算」の感想はここ

■ちなみに〈小市民〉シリーズの感想はここ

「春 限定いちごタルト事件」の感想はここ
「夏 期限定トロピカルパフェ事件」の感想はここ
「秋期限定栗 きんとん事件〈上〉」の感想はここ
「秋期限定栗 きんとん事件〈下〉」の感想はここ

   
http://natusola.blog105.fc2.com/blog-entry-424.html

※注意:TBはフィルタに 掛かると表示されないようです。エラーがない限り、恐らく届いていますので、別途承認することで表示されます(言及リンク頂くとましなようです)。ご容赦 願います