2_2 「2」野﨑 まど
メディアワークス文庫 ISBN:978-4048869256

さてさて、なぜか自分的な評価の普通さとは裏腹に、このブログの感想に取り上げられることが多い野﨑 まどさんの新刊です。

前にも書きましたが、他にも感想を書こうかなと思うものもあるのですけれど、今ひとつ気力が足りないので、軽く書けるものって感じで、野﨑さんを選んでしまっています。どうも、忙しいと本を読むペースが気分転換に上がってしまうんですが、感想までは気力がついてこないって感じです。まぁ、ちょっと軽い本を中心に読んでいるというのもありますが。

ということで、野﨑 まどさんの新刊です。毎回意匠を凝らした内容の小説をミステリー中心に書いてくれていますが、今回もちょっと変わったミステリのようです。

ということで、感想を書いておきます。

とりあえず、あらすじを出版社ページから引用&改訂します。

あらすじ:(公式より引用)

数多一人は超有名劇団『パンドラ』の舞台に立つことを夢見てやまない青年。ついに入団試験を乗り越え、パンドラの一員となった彼だったが、その矢先に『パ ンドラ』は、ある人物によって解散を余儀なくされる。彼女は静かに言う。「映画を撮ります」と。その役者として抜擢された数多は、彼女とたったふたりで映 画を創るための日々をスタートすることになるが――。

『全ての創作は、人の心を動かすためにある』

彼女のその言葉が意味するところとは。そして彼女が撮ろうとする映画とは一体……? 全ての謎を秘めたままクラッパーボードの音が鳴る。

感想:

こういう作りになるんですね。

この作品は、今までの野﨑 まどさんの作品に比べて、かなり分厚いです。それには理由がありそうです。それは、スターシステムといいますか、今までの野﨑さんの小説に登場したといいますか、主人公だった人物たちが登場したからですね。なので、それぞれの登場人物に対して、ある程度ページを割く必要があったのではと思いました。

そう、この「2」は、今までの野﨑 まどさんの作品が集束して着地しているといいますか、全部よんでないと分からないだろう?って作品でした。

しかし、相変わらずの西尾 維新フォロワーぶりですね。台詞回しや、キャラクタ造形などは、明らかに影響を受けているといいますか、同じような感じです。最近のラノベやYAの作家さんには、非常に多いですね。というか、西尾 維新さん自身が、ライトノベルの文法を一般小説に持ち込んだ作家ですしね。

って、この前も書いたか。(苦笑)

さて、それは置いておいて「2」です。

小説の構造などを説明すると、ちょっとネタばれになるので書きにくいので、一応警報を鳴らしておきます。

<以下、本の中身に言及している部分があります。ネタバレにはならないようにしますが、未読の方はご注意を>

野﨑 まどさんの作品は、今までもおおよそ三つの構成からできています。

導入→超展開→どんでん返し(いやちゃぶ台返しか?)

こんかいもそれに倣った構成ですね。

この作品を面白いと思うかどうかは、今までの作品を楽しめたかどうかにも掛かってきますね。自分は、そうなるんだろうなという展開で、それなりには楽しめました。「小説家の作り方」 がもしかすると一番近いかも。いや、野﨑さんのパターンは、どれも似てますか。

ただ、ここまでやられるとねぇ。まじめに読むのがちょっと馬鹿らしくなるんですよ。大風呂敷を広げすぎといいますか。

逆に、導入部分の展開でそのまま突っ切ってみて欲しいと思いますがどうでしょうか?その方が、筆力は要求されると思いますし、チャレンジだと思うんですが。

恐らくは、今までの野﨑 まどファンには絶賛されるんでしょうし、それが悪いとは思わないのですが、こういうタイプの小説は、どうしても読者を限定してまうような気がします。まぁ、メディアワークス文庫だけで書かれるならいいのですが、どうでしょうか?

ただ、ここで今までの小説を総括するような本を書かれて、しかも最初の小説である『[映]アムリタ』の続編であるので、一周したという感じでしょう。なので、次は新しいステップに進んでくれるんではないでしょうか。期待しておきたいと思います。