氷菓 第十三話「夕べには骸に」です。
アニメ版『氷菓』も、先週から『クドリャフカの順番』に入りました。原作ですと3冊目ですね。『クドリャフカの順番』も長編です。
大好きなシリーズ小説が原作なので、ちょっと応援記事を書いてみてみたりしています。そろそろ、次を書こうかなと思いつつも書けないなぁ。
◆『氷菓』とミステリについて論じてみようかと(第1話終了時点)
◇『氷菓』とミステリについて論じてみようかと(その2)(第2話終了時点)
◆『氷菓』とミステリについて論じてみようかと(その3)(第4話終了時点)
ところで、〈古典部〉シリーズだけでなく、作者の米澤穂信さんが今の日本のミステリ作家の中で一番のお気に入りだということもありますので、当然原作感想などもありますよ。
さて、先週から始まった『クドリャフカの順番』編ですが、すでに事件は色々と始まっているのですが、視聴者にははっきりとわからない感じにはなっていました。本編は、今週からでしょうか。
ということで、氷菓 第13話「夕べには骸に」感想行きます。
もちろん原作は既読です。
あらすじ:(京アニサイトから引用)
漫研部で対峙する河内先輩と摩耶花。
でも二人とも普通ではない格好をしているため、少し滑稽な雰囲気も…。どんな格好なんだろう。
感想:
先週から、『クドリャフカの順番』に突入したわけですが、このシリーズは原作では多重構造になっているために、うまくやらないと散らかった印象になってしまうと思うのですけれど、スタートはどうだったんでしょうね。まぁまぁのイメージでしょうか。
ということで、今週もポイントだけまとめておきたいと思います。
◆視点の問題
実は、原作でもこの『クドリャフカの順番』は、多重視点で進みます。これまでのお話は、実は奉太郎の一人称視点だったのです。原作だともっとハッキリわかりますが、アニメなのでその辺りが少し曖昧です。ただ、メインストリーは間違いなくそうですね。
そのため、この『クドリャフカの順番』は、〈古典部〉シリーズの中では異質です。
どうしてそうなるのかというと、まぁ一つは、奉太郎が店番をしていて動かないためということがあります。『氷菓』を売り切るというのがもう一つのテーマなので仕方がないですね。奉太郎の代わりに事件を調査してくれる人が必要なのです。
さらには、今までの事件が、既に発生したものだったのと違い、『クドリャフカの順番』は学園祭での事件なので、奉太郎の事件への介入は、事件発生と同時進行になります。それを観察してくれる人が必要なのですね。そのため、視点を多重にする必要があるわけです。
複数の事件が同時進行して、という多重視点のミステリは、本格ミステリでは珍しいですね。どちらかというと、変格ものとかサスペンスものの手法でしょうか。
◆ではなにが起きているのか?
ここに来て、物語りは大きく三つに集約されてきているように見えます。どれがメインの事件になるのかはわかりません。もしくは、それぞれの事件は根っこが同じ可能性もあります。
(1)盗難とカード
えるちゃんが「占い研究会」で十文字さんから聞いたタロットカード盗難事件、そして、囲碁部での盗難事件。さらには、先週のアカペラ部での騒動もありますね。何かが起きているようです。
えるちゃんは、もちろんこのチームの一員といった感じでしょう。彼女が気になるのは、これかな?
(2)漫画研究会
摩耶花が所属する漫画研究会。そこで彼女自身が起こしている事件は、一体何を示しているのか。
まぁ、あの騒動は、原作よりも陰湿ではありませんでした。これくらいなら、対立というほどのこともないですね。
あと、「夕べには骸に」はどういう関係があるのかでしょうか。
しかし、部長さんはいい味を出しています。(苦笑)
(3)氷菓
そして、もちろん「氷菓」を売ることは重要なテーマです。ただ、その店番をしている奉太郎は、一体何をしているのでしょうか。トレード委員でもないでしょうけれど。
で、えるちゃんの気になる写真を覗き見するためではないでしょうけれど。(汗)
◆ミステリとして
『クドリャフカの順番』は、本格ミステリとしては異質だと書きましたが、そうはいっても軸足は本格ミステリにあると思っています。
原作では、そのためにさりげなくある重要な伏線が提示されます。それをごまかすために、多重視点にしているのではと思えるくらいです。
では、アニメではどうか。ちょっと難しいような気がします。もう既に、その伏線は張られているんですが、なかなか分かりにくいですね。今後は、これがポイントになりそうな気がします。
是非、アンフェアにならないようにしてください。
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さてオープニングが替わりました。
悪いとは思わないのですが、良いとも思えません。曲だけを考えると、前の方が良かったかもしれないとも思えます。
でも、これからの慣れでしょうけれどね。
■アニメ特別感想はここ
◆『氷菓』とミステリについて論じてみようかと
◇『氷菓』とミステリについて論じてみようかと(その2)
◆『氷菓』とミ ステリについて論じてみようかと(その3)
■小説〈古典部〉シリーズの感想はここ
◆「氷菓」の感想はここ
◇「愚者のエン ドロール」の感想はここ
◆「クドリャフ カの順番」の感想はここ
◇「遠まわりする雛」の感想はここ
◆「ふたりの距離の概算」の感想はここ
■ちなみに〈小市民〉シリーズの感想はここ
◇「春 限定いちごタルト事件」の感想はここ
◆「夏 期限定トロピカルパフェ事件」の感想はここ
◇「秋期限定栗 きんとん事件〈上〉」の感想はここ
◆「秋期限定栗 きんとん事件〈下〉」の感想はここ
http://sagaturedure.blog31.fc2.com/blog-entry-5481.html
http://natusola.blog105.fc2.com/blog-entry-220.html
※注意:TBはフィルタに掛かると表示されないようです。エラーがない限り、恐らく届いていますので、別途承認することで表示されます(言及リンク頂くとましなようです)。ご容赦願います
余談ですが、入須には学友は多くいても友人は少なそうなイメージがあります。女子高生なのに“女帝”なんて呼ばれるなんて、友人とか理解者には未だにいないかあるいは少数ではないかと思いました。
遠垣内はやっとまともな出番がありましたね、これがないと彼の印象は結構変わりそう。
写真を見られたと察して赤面するえるも可愛いですが、写真を見たことを悟られてばつが悪そうにしたり、写真を見ているときに不意に声をかけられ狼狽する奉太郎も可愛かったです。
奉太郎もアニメでは可愛らしさがあると思います。というより原作より、奉太郎とえるはイチャイチャしているような気がしますね。あるいは互いを気にしあっているのがわかりやすいのかもしれません。
あと写真はえるが見つけたときに枚数が減っていたように見えましたが、もしかして奉太郎がお気に入りの一枚をがめたのでしょうか(笑)?
私は冥土じゃなくてメイドとチアガールが好きでした。奉太郎も全部がめればいいのに(笑)。えるもどっかに落としたと思い込ませて。
予告のエプロン姿のえるの振り向く様は、夫の帰りを迎える新妻のようですね(笑)。