Hk1 氷菓 第十一話「愚者のエンドロール」です。

アニメ版『氷菓』も、原作ですと2冊目『愚者のエンドロール』ですね。『愚者のエンドロール』は長編です。

大好きなシリーズ小説が原作なので、ちょっと応援記事を書いてみてみたりしています。そろそろ、次を書こうかなと思いつつも書けないなぁ。

『氷菓』とミステリについて論じてみようかと(第1話終了時点)

『氷菓』とミステリについて論じてみようかと(その2)(第2話終了時点)

『氷菓』とミステリについて論じてみようかと(その3)(第4話終了時点)

ところで、〈古典部〉シリーズだけでなく、作者の米澤穂信さんが今の日本のミステリ作家の中で一番のお気に入りだということもありますので、当然原作感想などもありますよ。

原作の感想はこの辺り
えるちゃんイラストはこの辺り

さて、本筋に帰りますと、先週はオマージュの『毒入りチョコレート事件』同様に、第一の推理を行ったわけですが、予定通り(?)外れたわけですね。今週は、最終解決編ですね。

ということで、氷菓 第11話「愚者のエンドロール」感想行きます。

もちろん原作は既読です。

あらすじ:(京アニサイトから引用)

奉太郎に詰め寄る摩耶花。

真意を確かめる里志。

自分自身の思いを伝えるえる。

3人のいつになく厳しい表情に困惑する奉太郎。

感想:

今週はなんとなく絵がちょっとあれな感じがしますが、やっぱり脚本に苦しんだんで、時間が足りなかったのでしょうか。ラストの部分のエピソードが違っていましたし。まぁ、アニメーション的には、動きが欲しいのでこうなったんでしょうけれど。

で、『愚者のエンドロール』の最終謎解き始まりました。それでは、ポイントを整理しましょうか。

◆『毒入りチョコレート事件』

先週にも書きましたが、この『愚者のエンドロール』は、アントニイ・バークリーの『毒入りチョコレート事件』のオマージュをやりたかったと思われます。そのため、推理合戦や、探偵役の推理ミスというのは、あらかじめ決められたルートですね。

それはそうなのですが、『愚者のエンドロール』独自のポイントがあります。それは、一体奉太郎が、追わなくてはいけない謎とは一体何だったのかということです。

◆名探偵折木 奉太郎

女帝が彼に求めていたのは、映画の解決篇ですね。正解でなくてもいいので、万人が納得する解答です。そのために、推理合戦というフェーズが用意されていたわけですね。まさにコンペです。そこで、女帝は、本郷の代わりの脚本というか、彼女の代わりに傷つく人を求めたというわけです。

しかし、これはあくまでも古典部シリーズなので、万人ではなくえるちゃんが求める解決を導き出さないといけません。それを忘れていたために、先週の誤解答があったわけですね。

名探偵折木 奉太郎は、万人の名探偵ではなく、えるちゃんのための名探偵ですから、今週の解答があったわけです。そういう意味でも、先週のサブタイトル「万人の死角」は、うまいサブタイトルでしたね。
この前の奉太郎は怒らないという話しも効いています。

◆愚者のエンドロール

Hk2 先週の解答は、それまで撮影されていた出題編からすれば、本来の解答よりも優れた解答だったと思われます。辻褄もあってますし。

ただ、それは本来の奉太郎からすれば愚者としかいえない解答であり、『愚者のエンドロール』としかいえないものでした。

そして、タロットで言えば「愚者」はえるちゃんですから、今週の新しい推理と最後に奉太郎が語ってみせた事実は、「愚者」のための『愚者のエンドロール』というわけですね。

◆なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?

で、本来奉太郎が何を追わないといけなかったのかは、もう皆さんが最初から気づいていてスルーしてきたものでした。どうして、本郷さんの友達であるはずの江波さんは、本郷さんに結末を聞かないのか?ですね。

きちんと、アンケートとかを見ていれば、ホームズの助けを借りずとも分かる範囲でしょうか?自分は、原作を読んだときには気づけませんでした。

この苦いラストは、賛否ありそうですね。

そう言えば、自分もむか~し本を貸したときに、「私、人が死ぬ小説は苦手なんです」ということを言われたことがあった気がするなぁ。

◇おまけ

さて、先週も書きましたがエンドテロップは、「Why didn't she ask EBA?でした。これは、アガサクリスティのWhy didn't they ask Evans?なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?)のタイトルのパロディです。

さて、このサブタイトルの持つ意味は、もうハッキリしていますよね。つまり、最初からこの『愚者のエンドロール』の本来の謎は、はっきりと提示されていたわけです。

そして、この作品がサブタイトルに選ばれた理由がポイントでしょうか。クリスティの中では、ミステリとしては名作とは言えません。そして、Who done it?にもなっていないということを考えると、本当にこの内容に合わせて、わざと選んでいるとして思えません。後付けでサブタイトルを付けたというよりも、本歌取りに近いといいますか。

まぁ、それがどういう感じなのかは、ネタバレにもなるので、クリスティの原作を読んでくださいとしか言えませんが。

で、次週は、ストレートに『クドリャフカの順番』に入るのでしょうか。『ふたりの距離の概算』はやらないんですよね。間にオリジナルが入るのかな?

■アニメ特別感想はここ

『氷菓』とミステリについて論じてみようかと
『氷菓』とミステリについて論じてみようかと(その2)
『氷菓』とミ ステリについて論じてみようかと(その3)

■小説〈古典部〉シリーズの感想はここ

「氷菓」の感想はここ
「愚者のエン ドロール」の感想はここ
「クドリャフ カの順番」の感想はここ
「遠まわりする雛」の感想はここ
「ふたりの距離の概算」の感想はここ

■ちなみに〈小市民〉シリーズの感想はここ

「春 限定いちごタルト事件」の感想はここ
「夏 期限定トロピカルパフェ事件」の感想はここ
「秋期限定栗 きんとん事件〈上〉」の感想はここ
「秋期限定栗 きんとん事件〈下〉」の感想はここ

 

※注意:TBはフィルタに掛かると表示されないようです。エラーがない限り、恐らく届いていますので、別途承認することで表示されます(言及リンク頂くとましなようです)。ご容赦願います