B 「ビブリア古書堂の事件手帖 3 ~栞子さんと消えない絆~」三上 延
メディアワークス文庫 ISBN:978-4048866583

どうやらベストセラーとなっている「ビブリア古書堂の事件手帖」ですが、1、2巻で300万部ですか。このシリーズは、雰囲気と、栞子さんの古書に対しての蘊蓄を楽しむ小説かと思 います。悪くはないので、興味がある方、表紙に惹かれた方は読んでも損はないと思います。全体としては、ラノベの範疇だとは思いますが。

さて、メディアワークス文庫の看板とも言える存在になっているようです。なにしろ、専用のホームページまでできているようです。ひとまず「ビブリア古書堂の事件手帖」のホームページのリンクを貼っておきます。

さて、三上 延さんは、元々はラノベ畑の人ですが、購買層はどうなんでしょうねぇラノベファンも一般書ファンも購入しているので、ここまで伸びているんでしょうが、置いてある場所などからしても、どうやらラノベ層よりも一般書ファンの方がメインの読者という感じでしょうか。

どうもミステリファン層が購入しているという感じはないのですけれどね。

ということで、3巻の感想を書いておきます。

とりあえず、あらすじを出版社ページから引用&改訂します。

あらすじ:(公式より引用)

鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂は、その佇まいに似合わず様々な客が訪れる。すっかり常連となった賑やかなあの人や、困惑するような珍客も。

人々は懐かしい本に想いを込める。それらは思いもせぬ人と人の絆を表出させることもある。美しき女店主は頁をめくるように、古書に秘められたその「言葉」を読み取っていき──。

彼女と無骨な青年店員が、妙なる絆を目の当たりにしたとき思うのは? 絆はとても近いところにもあるのかもしれない。あるいはこの二人にも。

これは“古書と絆”の物語。

感想:

ビブリアとは、ラテン語で「本を愛する人」の意味だそうです。ビブリオとは、書籍ですね。

元々、古書とそれにまつわる出来事を古書を中心に解き明かして行くということから、日常の謎系のミステリの範疇に含まれると思っていましたが、この3巻はどうも本格ミステリとしての色合いが薄くなってきている気がします。提示された謎を解くのに、それまでに提示された情報で行うというのが本格ミステリだと思いますが、どうもその枠組みにはまっていない気がします。

つまり、謎解きフェーズで、突然栞子さんが読者の知らないような情報を持ち出すような場面があるということです。

まぁ、そういう細かいことは、この本の読者層にはあまり関係ないような気がします。

で、3巻ですが、今までの二冊よりもなじみやすい気がします。それは、恐らくは選択された本によるところが大きいのでしょう。今までは、知らない本や敷居の高い本がそれなりにあったために、その情報を消化するまでに物語りが進んでしまうようなことがあった気がします。それが、メジャーな良く知った本が中心になっているため馴染み安かったのだと思います。というか、読んだことがある本ばっかり。

では、それぞれの章で取り上げられる本と簡単な感想を。(ネタバレは避けます)

◆プロローグ/エピローグ 『王さんのみみはロバのみみ』(ポプラ社)

プロローグを読んだところで、この仕掛けには気づいてしまいました。というか、作者もあまり隠すつもりはないのでは?

◇第1話 ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』(集英社文庫)

読んだことがある本です。あまり記憶には残っていませんが、ミステリ的な仕掛けがあったと思います。というか、この説明だけで、気づいてしまう人がいるのではないかなぁ。

ただ、この中ではこれが一番面白かったかな?これからこのシリーズの軸となるテーマが登場してきていますし。

で、ミステリとしては、根拠がちょっとずるいです。それがなくても、ミステリとしては成立すると思うのでもったいないかも。

◆第2話 『タヌキとワニと犬がでてくる 絵本みたいなの』

章タイトルからしてわかりますように、本を探すもの。ただ、本を探すことがメインではありません。この本は読んだことがありませんが、内容はある理由で知っています。

しかし、ここまでくると、ミステリではないですね。

◇第3話 宮沢賢治『春と修羅』(關根書店)

このネタも途中であの人が出てきたところで、終わりまで予想がつきますね。なので、謎解きとしてのミステリよりも、ドラマ性を重視しているということでしょう。

ただ、これも謎解きの根拠にずるい部分があります。

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まぁ、ずるいとか色々書いていますが、面白かったです。今までよりずっと読みやすいですし。

ただ、今回もますます、なじみがある本が増えていますが、こうなると、やっぱりもっと知らないような本がいいかもって気がするから不思議です。こういう知った本ばかりだと、ラノベ感が増してしまうので。ただ、随筆は勘弁で、小説希望なので難しいですね。

『ビブリア古書堂の事件手帖』の感想はここ

『ビブリア古書堂の事件手帖 2』の感想はここ