氷菓 第十話「万人の死角」です。
アニメ版『氷菓』も、原作ですと2冊目『愚者のエンドロール』ですね。『愚者のエンドロール』は長編です。
大好きなシリーズ小説が原作なので、ちょっと応援記事を書いてみてみたりしています。そろそろ、次を書こうかな?
◆『氷菓』とミステリについて論じてみようかと(第1話終了時点)
◇『氷菓』とミステリについて論じてみようかと(その2)(第2話終了時点)
◆『氷菓』とミステリについて論じてみようかと(その3)(第4話終了時点)
ところで、〈古典部〉シリーズだけでなく、作者の米澤穂信さんが今の日本のミステリ作家の中で一番のお気に入りだということもありますので、当然原作感想などもありますよ。
さて、本筋に帰りますと、『愚者のエンドロール』は長編なので、ちょっと今までの一話完結的な演出とは違っています。どうやら『愚者のエンドロール』は11話までみたいですね。ということは、今週はあの謎解きですか。
ということで、氷菓 第10話「万人の死角」感想行きます。
もちろん原作は既読です。
あらすじ:(京アニサイトから引用)
入須冬美は思わせぶりな態度で奉太郎をお茶に誘う。あの冷静沈着な入須のいつにない様子に、奉太郎、まんざらでもない。
入須が奉太郎を誘った本当の理由とは!?
感想:
今週はなんとなく絵がちょっと違う感じがしますが、それはそんなものでしょう。
で、『愚者のエンドロール』の回答フェーズが始まりました。
それでは、ポイントを整理しましょうか。
◆推理合戦
先週にも書きましたが、推理合戦は、安楽椅子型のミステリで、探偵役の人間が手っとり早く情報を入手するためのものだと考えればよいかと思います。特に、学園ミステリでは、探偵も学生になるため、簡単には探偵のまねごとはできませんからね。
アントニイ・バークリーの『毒入りチョコレート事件』のオマージュをやりたかったというのもあるかもしれませんが。
ただ、そうはいいつつも、なぜ女帝は、古典部という第三者を連れてきてまで、そんな推理合戦をやらせたのか。あまり期待していなかったようなのに。
◆名探偵折木 奉太郎
今回の謎解きのポイントは、奉太郎が自分が名探偵であると考えて行動していることにあります。
彼は、えるちゃんが納得する回答ではなく、彼を認めたように語った女帝が納得する、もしくは合理性のある回答、もしくは「万人」 が納得するを求めています。『氷菓』フェーズとは違いますね。それがどういう意味を持つのか。
今週のラストを見ると明らかなように、「万人」受けする回答にはなりましたが、どうやら真相ではなかったようですね。
そして、えるちゃんは、決して納得している様子はないと。
◆残されたヒント
冒頭に書いたように、奉太郎は推理合戦と映像からヒントを得ています。そこにはいくつか、残されたヒントがあったはずです。しかし、それで回答を得られるのか。
今まで提示されたヒントで残っているものには、ザイルの他にあからさまなもので、いくつかありましたよね。
ただ、それだけで謎が解けるかどうか。
◆このセンテンスはフェアプレイを気にする方は飛ばしてください
あえて書くならば、この『愚者のエンドロール』で提示されている謎とは何か?恐らくは、(原作を読んでいない)視聴者の方々は、みなその謎に気づいていますが、スルーしていると思います。よくある「納得はできないけれど、まぁエンターテイメントだからいいか」的に。
書いておきますと、この『愚者のエンドロール』も、きっちりと謎や伏線は回収されます。ならば、何が一番引っかかったのか考えてみましょう。色々とブログを見させていただきましたが、多くの方が、初めに気になった点として書かれていました。
◇おまけ
さて、先週も書きましたがエンドテロップは、「Why didn't she ask EBA?」でした。これは、アガサクリスティの「Why didn't they ask Evans?」(なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?)のタイトルのパロディです。
さて、ここまでくれば、少しこのサブタイトルがどういう意味を持ってくるのかが分かってくると思います。それが回答です。
そして、なぜ、マープルでもポアロでもなくこれが選ばれたのか?
■アニメ特別感想はここ
◆『氷菓』とミステリについて論じてみようかと
◇『氷菓』とミステリについて論じてみようかと(その2)
◆『氷菓』とミ ステリについて論じてみようかと(その3)
■小説〈古典部〉シリーズの感想はここ
◆「氷菓」の感想はここ
◇「愚者のエン ドロール」の感想はここ
◆「クドリャフ カの順番」の感想はここ
◇「遠まわりする雛」の感想はここ
◆「ふたりの距離の概算」の感想はここ
■ちなみに〈小市民〉シリーズの感想はここ
◇「春 限定いちごタルト事件」の感想はここ
◆「夏 期限定トロピカルパフェ事件」の感想はここ
◇「秋期限定栗 きんとん事件〈上〉」の感想はここ
◆「秋期限定栗 きんとん事件〈下〉」の感想はここ
http://blog.livedoor.jp/mattari_6/archives/51844262.html
※注意:TBはフィルタに掛かると表示されないようです。エラーがない限り、恐らく届いていますので、別途承認することで表示されます(言及リンク頂くとましなようです)。ご容赦願います