Gyusha 「愚者のエンドロール」米澤 穂信
角川書店 ISBN:978-4044271022 

古典部シリーズの『氷菓』が、この春から京都アニメーション制作でアニメになるらしいのです(『氷菓』だけでなくきっと「古典部」シリーズでしょうけれど)。それなのに、これは感想を書いていなかったので『氷菓』に続いて、今のうちに補填しておこうという汚い魂胆です。はい。

自分がこれを読んだのも、『氷菓』同様新刊で出た瞬間でした。というか、米澤さんの本は、ほとんど新刊で出たとたんに買っていますね。「犬はどこだ」ぐらいですか、そうでないのは。ずっとご贔屓だったんですね。

ということで、〈古典部〉シリーズの第2弾『愚者のエンドロール』の感想に行きます。

一先ず出版社から、あらすじを引用しておきます。

あらすじ:

文化祭の準備に追われる古典部のメンバーが、先輩から見せられた自主映画。廃屋で起きたショッキングな殺人シーンで途切れたその映像に隠された真意とは!? 

ちょっぴりホロ苦系青春ミステリの傑作登場!

感想:

〈古典部〉シリーズが何か知らないという方は、wikiを使っていただくか、うちのブログのこの記事辺りを読んでくださいませ。

『愚者のエンドロール』は、今ミステリ界で、先頭集団を突っ走る米澤穂信さんのデビュー作第二弾です。デビュー作同様に〈古典部〉シリーズです。ここまでが、<スニーカー・ミステリ倶楽部>ということですね。

ということで「省エネ」をモットーとする主人公・折木奉太郎が、同級生ながら部長である、好奇心が旺盛なお嬢様・千反田えるに引きずられて日常の謎を解いていくシリーズです。

ということで、あらすじだけを読むと殺人事件ということで、日常の謎の範疇を超えている感じがしますが、映画の中で起きた殺人事件の謎を解くということで実際には事件が起きません。

では、なぜそういうことになるかというと、というところが全体のストーリーに関わる部分ですね。

この事件が、実は次の『クドリャフカの順番』への伏線でもあるんですけれどね。

謎解き部分は、アントニー・バークリー『毒入りチョコレート事件』のオマージュとして構成されています。それをあらかじめ読んでいるとクスっとできますが、そうでないとちょっと痛い感じもあるので、難しいですね。

そうはいつつも、『氷菓』に比べると長編ということもあって、真ん中での上記バークリーへのオマージュ部分を過ぎての終盤がポイントになっていますね。『氷菓』よりもちょっと苦みを増しているというか。でも、あのラストはあまり好きではないですが。

それでも、やはり、この〈古典部〉シリーズは、短編の方が面白い気がします。まぁ、中盤は短編の積み重ねとも言えないでもないですが。

で、どちらかというと『氷菓』の前半部分の方が好きですね。もっというと、〈小市民〉シリーズの方が好きなんですけれど。

「古典部シリーズ」の感想はココ
「<小市民>シリーズ」の感想はココ