Hyou 「氷菓」米澤 穂信
角川書店 ISBN:978-4044271015 

この春から京都アニメーション制作でアニメになるらしいのです。それなのに、これは感想を書いていなかったので今のうちに補填しておこうという汚い魂胆です。はい。

自分がこれを読んだのは、新刊で出た瞬間でした。というのも、角川スニーカー文庫の新ジャンルということで、<スニーカー・ミステリ倶楽部>というのがかつてあったのですが、その第1回配本がこの「氷菓」だったんですね。

<スニーカー・ミステリ倶楽部>は、恐らくミステリとラノベという両方を渡り歩く自分のような層を狙ったものなんでしょうが、結局上手く行かなかったですね。

ということで、〈古典部〉シリーズの第1弾『氷菓』の感想に行きます。

一先ず出版社から、あらすじを引用しておきます。

あらすじ:

何事にも積極的に関わらない奉太郎が、姉の命令で入部させられた古典部で、部員の少女の叔父が関わった三十三年前に起きた事件の真相に迫る。

省エネ少年と好奇心少女が繰り広げる青春ミステリー。

感想:

〈古典部〉シリーズが何か知らないという方は、wikiを使っていただくか、うちのブログのこの記事辺りを読んでくださいませ。

『氷菓』は、今ミステリ界で、先頭集団を突っ走る米澤穂信さんのデビュー作でもあります。

ということで「省エネ」をモットーとする主人公・折木奉太郎がどうして「古典部」に入部することになったのか、同級生ながら部長である、好奇心が旺盛なお嬢様・千反田えるとどうして一緒に「古典部」を続けることになったのかがこの本でわかります。

ただ、まぁそれは〈古典部〉シリーズや青春小説としての一面であります。

この氷菓の醍醐味は、日常系ミステリです。内容的にも、どちらかというと長編小説ではなく連作短編の形式を採っています。前半で軽い日常の謎の究明をホータローが行い、それに感激(?)した千反田エルが、彼に古典部に絡む謎の究明を持ち込むという形式を採っています。

で自分としては、実はこれを読んだとき、『氷菓』の謎(?)は結構分かってしまいました。そのためもあってか、前半の日常の謎の積み重ね部分が面白かった気がします。

シリーズ全体としても短編集の『遠まわりする雛』が面白いって感じがするので、シリーズとしては短編の方が相性がいいんではないかな?確かに、日常の謎なんで、一つの謎で全体を引っ張るのは難しいのもあるんでしょうけれど。

アニメ放送では、『氷菓』と『遠まわりする雛』をシャッフルしながら進めるんではないかなと勝手に思っています。

内容的には、ラノベとしては文章や内容が凝りすぎているし、一般ミステリとしては〈小市民〉シリーズよりもあっさりしている感じがします。よくできた軽い青春ミステリって感じでしょうか。〈古典部〉シリーズ自体が、苦みを抜いた〈小市民〉シリーズっていう位置付けって感じですし。

『氷菓』自体は、〈古典部〉シリーズのスタートですが、すでにシリーズを意識している感じですよね。連作短編の形式だからかもしれませんが。千反田えるの「わたし気になるんです」の名セリフも出てきていますし。

ということで、読みやすいので、アニメで『氷菓』を知った方にも読んでほしいですね。

ということで、『愚者のエンドロール』の感想も書いておこうかな?

「古典部シリーズ」の感想はココ
「<小市民>シリーズ」の感想はココ