S 「サマーサイダー」壁井 ユカコ
文藝春秋  ISBN:9784163806402

「ストロペリーナイト」見てしまいました。う~ん、竹内結子の姫川はかなりいいんですが、武田鉄也の勝俣がかなりイメージぶち壊しです。あと、西島秀俊の菊田が違うかな。もう少しごっつくないと。ただ、生瀬勝久の井岡はあまりにはまり役ですね。

それはさておき、「サマーサイダー」です。10月発売だったのですが、遅ればせながら年末に読みました。時季外れといえば時季外れなんですが、そもそも発売時期も外れているのでいいでしょう。

壁井さんは、最近どんどんラノベから抜けて行っている気がしますが、これもラノベではありません。内容的には、YA(ヤングアダルト)かもしれませんが、まぁ周辺ミステリでいいでしょう。半分ホラーだと思うし、ホラーはミステリに近いという印象です。

でも、電撃文庫の「クロノ×セクス×コンプレックス」の続きはどこへ行ったのでしょうか。もう1年以上出ていない気がしますけれど。

ということで、感想行きます。

まず、出版社からあらすじを引用します。

あらすじ:

幼馴染のミズ、誉、悠は廃校になった中学の最後の卒業生。
それぞれ高校に進んだ少女と少年2人の間柄は微妙な変化の時を迎えていた。

危ういバランスで結ば れた三角関係の中心には、去年の夏休みに変死体で発見された担任教師・佐野を巡る彼らだけの秘密があった。

夏が再び訪れ、廃校舎に置いてきたはずの罪が3人を追い詰めてゆく……! 

ほの暗い恐怖を漂わせながら、少年少女の切ない関係を瑞々しく描く青春ホラー小説です。

感想:

ん~、 多分面白かったです。

内容的には、どなたかの感想でも読みましたが、桜庭一樹のフォロアーって感じがしました。ざらついた感じとか。そういう意味では、「五龍世界」とか「クロノ×セクス×コンプレックス」とは、ちょっとイメージが違いますね。

ただ、これならばホラーにする必要はないですね。というかホラーにしない方が仕上がりは良かった気がします。

<以下、本の中身に言及している部分があります。ネタバレはしないつもりですが未読の方はご注意を>

佐野の蝉が妄想であった方がより怖いと思います。そして、廃校舎に置いてきたはずの罪が、本当の罪であった方が。

というのも、主人公の三人が追い詰められた感覚が、あまりないんですよね。それでいて、謎を追い詰めている感じもない。中途半端です。それならば、ホラーをやめてサスペンスにして、三人が罪に追い詰められていく方が、もっともっと緊迫感があったような気がします。

まぁそうなると、桜庭一樹そのものって感じもしますけれど。「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」になっちゃうかも。

それか、もっとホラー要素を早くから出すべきだったんでしょうね。本当に怖くないんですよ。ミズがオバカだし。ただ、そうはいいつつも、前半の青春小説部分は面白いんですよ。難しいですね。

自分としては、佐野のキャラが良かったので、佐野とミズと三浦で充分だった気もします。三浦は要らなかったかも。もちろん、三浦との対比として欲しかったという気もしますが、三浦もいなくてもいいかと思うぐらいなので。そうすると、青春ホラーではなくなりますが。