「聖剣の刀鍛冶(ブラックスミス) 11」三浦勇雄
MF文庫J ISBN:978-4-8401-3931-1
1年ぶりですか。色々苦労されたようで、発売がずいぶん遅れましたね。
先週買って読んでいたのですが、ちと忙しくて感想を書くのが遅くなりました。まぁ、出版自体が再々々延期って感じで延びましたから、そんなに 急いで書く必要もなかったとは思いますが。って8、9、10巻と同じ書き出しか。(苦笑)
この11巻は、短編集の形態を採っていて余り進んではいませんが、ちょっと大きなイベントがありました。(汗)
ということで、感想行きます。
出版社からあらすじを引用しておきます。
あらすじ:
ルークの変調をリサから明かされたセシリー。ルークは頑なに隠そうとしているが、セシリーとリサは互いに彼を支えることを心に誓う。
ルークとの関係をどのようにするべきか悩んだセシリーは母に、亡き父との馴れ初めを聞くことにする――。
一方、軍国ではゼノビアが付き人のシャーロットとともに城を抜け出し、 大陸を包む不穏な空気に萎縮しかねない市井の声を聞くべく街中へ繰り出していた。
また他方、帝政列集国のフランシスカは、主に従属する魔剣の定めをヴェロニカから見出そうとしていた……。
穏やかな日常の中で覚悟を固めていく女たち、心底に銘を切り、居並ぶ!!
感想:
まぁ、冒頭のセシリーの母の過去話と、エピローグ部分のセシリーの決意。それの二つが描きたかったことなんでしょうね。それを繋ぐ部分が埋まらずに、時間が掛かったという感じでしょうか。
それとも、ヴァルバニルの封印が弱まったことで地震が発生しという災害を描いていたので、3・11に影響を受けて筆が止まったんでしょうか。
どちらにしても、それはあとがきにも書かれていないので、気にするところではないでしょう。
ということで、元々この「聖剣の刀鍛冶」は、登場人物に女性が多いのですが、その女性たちの今とこれからを描いた短編集の形態を採っています。そこにアリアがいないのが寂しいですけれど。
短編部分は、それはそれで面白いのですが、あまりそれぞれのキャラに思い入れがないと、外伝を読んでいる感じでちょっとフラストレーションが溜まります。「ルークが大変なはずなのに~」、とか「アリアはどうなるんだ」とかですね。そういう意味では、冒頭と巻末の2編が本編になるかと思います。
で、ちょっとびっくりしました。というか、めでたい!んでしょうけれど。
そのめでたい内容は、読んでくださいですが、やはりラストのセシリーの暴走が彼女らしいといいますか、それこそ「聖剣の刀鍛冶」らしいという感じでいいですね。やっとという感じですし。
さて、そうなってようやくセシリーもルークも覚悟ができたという感じでしょう。それに呼応するようにというか逆か、帝政列集国が動き出したから覚悟ができたんでしょう。いよいよ、決戦でしょうか。
しかし、本当に一番辛いのはユーインとリサだと思うんですが、リサはともかくユーインは、あまり描写がなくて可哀想。(苦笑)
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