G 「ゴーストハント (6) 海からくるもの」小野 不由美
メディアファクトリー 幽BOOKS ISBN:978-4840142458

台風ですね。出張から地下鉄とバスを乗り継いで帰って来ましたよ。倍時間が掛かった。

ところで、9/22発売でしたっけ?う~ん、フラゲして発売前には読み終わってしまった。(泣)もったいないなぁ、本当に。

さて、隔月刊行、講談社X文庫ティーンズハート版『悪霊シリーズ』のリライト版「ゴーストハント」の6巻目です。残り少なくなりました。

この6巻目は、『悪霊シリーズ』で行くと『悪霊と呼ばないで!』で、コミックスでは8~9巻で、サブタイトルは呪いの家」です。アニメも 同じタイトルです。サブタイトルは、コミックス/アニメ版の方では、ちょっと問題がありますね。ただ、この「海からくるもの」もちょっとネタばれかも。

この6巻は、登場するキャラクターそれぞれに見せ場がある話で、それなりに人気があると思います。

ということで、「ゴーストハント (6) 海からくるもの」感想行きます。

恒例の、講談社X文庫ティーンズハート版との比較は、今回はやりません。だって、余りにも違うから。

講談社X文庫ティーンズハート版、漫画版、アニメ版とフルコンプリートです。リアルタイムで追っています。

あらすじ:(出版社特設サイトから引用)

代々料亭を営む吉見家では、当主の代替わりのたびに多くの人が死ぬことになるという。

新たな凶事を防ぐため能登半島に乗りこんだ一行だったが、ナルが悪霊に憑依され、リーダー抜きでのゴーストハントを余儀なくされてしまう。

おこぶさま、十八塚など古い信仰の残る土地で、吉見家を呪い続けているのは何者なのか。

感想:

今回の表紙は灰色(?)です。というか、ちょっとした仕掛けが。何か分からない方は、電気を消してから表紙を見てください。(笑)

噂では最終巻はもっと凝っているらしいです。裏表紙が当然綾子で、表紙のナルは、あのポーズですね。

この話は、みんなに活躍の場があって、霊もたくさん出てきて派手ですよね。ただ、元の話しやマンガ版などに比べるとジョンの活躍の場が少なかったかも。

派手と言っても、今回は前巻の『鮮血の迷宮』よりもきちんと謎解きしています。集めてきた情報から推理しているので、いうなれば、安楽椅子探偵って感じでしょうか。

しかし、相変わらずアレですね。麻衣は、自分の見た夢を包み隠さずに、すぐぼーさんやナルに伝えれば、もっと早くに事件が解決するんではないでしょうか。(苦笑)

だからこそ、彼女の能力が上がってくるに連れ、使いにくくなっている感じですよね。

どういうことかというと、ちょっと幕間を挟みます。

<以下、本の中身に言及している部分があります。ネタバレにはならないようにしますが、未読の方はご注意を>

麻衣が見た夢のうち、一つだけ、皆に告げられていないものがあります。裏切りから殺されるやつです。あの夢を告げていれば、もっと早くに調査の対象を絞れていますよね。

ただ、それをやると余りにアンフェアなミスリードになってしまいますか。それをやらなかったのが、実はそれはあれだよって告げているんでしょうかね。

ただ、サラッと読むと、一揆衆と三角関係の部分の違いが分かりにくいかもね。

ところで、今回は今まで以上に、中間の調査部分が重くなっていました。民俗学的な要素が思いっきり追加されていて、読み味が全然変わっていました。どちらがいいということはないのですが、今読むとこちらの方が数段面白いですね。

事件のバックボーンに立山信仰を持ってきたところが、今回に限っては正解だったと思います。今までは、ちょっとそういう追加要素が冗長で、ストーリーと噛み合っていない部分もあったと思いますが、今回は元々のストーリーがそういう民俗学的なものだったのに、サラッと流され過ぎていた部分がしっかりと補完されて分厚くなっていました。まさか、立山曼荼羅とか出てくるとは思いませんでした。旧作やコミックス版では、夷ぐらいでしたからね。

それに加えて、道祖神、地蔵信仰、マレビトなどもうこれでもかというサービスです。

そういった伝承や信仰が、ぼーさんや少年の苦労の調査と、綾子の超絶能力で綺麗に集約されていき、名探偵であるナルの一言で綺麗に謎解きされるのが痛快ですね。

さらに、その関係か謎解きがちょっと『悪霊と呼ばないで!』とは変わっていますね。

さて、最初に書いたそれぞれのメンバーの活躍ですが、もちろん一番活躍したのは綾子でしょう。今まで使い物にならないと言われた彼女の活躍が見事です。彼女をナルが連れてきたのかも分かりますね。

そうはいいながらも、一番目立ったのは、ぼーさんでしょう。やはり彼がリーダーですね。あの一つの山場であるゾンビ(苦笑)集団シーンは、ちょっとマンガ版よりトーンダウンしている気もしましたが。

リンさんも、式を使ってカッコイイところを見せています。

ジョンは、「イン プリンシピオ」はでてきますが、ちょっと影が薄いかも。

そしてナル。これで、彼の秘密についての伏線は、全て出し切った感じでしょうか。結末を知っていると、麻衣と真砂子の三角関係トークがちょっと哀しいものがあります。(苦笑)

ということで、次で最終巻。寂しいなぁ。

『中庭同盟』と『Principia』で一冊出してほしいんですが。

「ゴー ストハント(1) 旧校舎怪談」の感想はここ
「ゴースト ハント(2) 人形の檻」の感想はここ
「ゴースト ハント(3) 乙女ノ祈リ」の感想はここ
「ゴースト ハント(4) 死霊遊戯」の感想はここ
「ゴースト ハント(5) 鮮血の迷宮」の感想はここ

漫画版の感想はこの辺り
アニメ版の感想はこの辺り