S 「ビブリア古書堂の事件手帖 ~栞子さんと奇妙な客人たち~」三上 延
メディアワークス文庫 ISBN:978-4048704694

3月発売で、既に人気になってしまっている気がするので今更なんですが、『ビブリア古書堂の事件手帖』です。

メディアワークス文庫の狙い所は、脱ライトノベル世代でしょうか。あと、自分たちのような、大人でライトノベルも読む層でしょうか。イラストも付いていたりしますし、表紙もイラストだったりしますしね。宝島社文庫も似たような層を狙っている気がしますが、ちょっと上の層かな?

本屋さんでも、店によっては通常文庫のコーナーにあったり、ラノベのコーナーにあったり。色々です。入間人間とか、ラノベ出身者が多いからかもしれませんが。この文庫では、野崎まどさんがお気に入りです。あ、感想書き忘れた。書かなくては。

三上 延さんもラノベ畑の人ですが、この本は、大きな本屋でも平積みで特集コーナーがあったりするので、今までで一番当たっているんではないでしょうか。

ということで、感想行きます。

二巻の感想はここに書きました

とりあえず、あらすじを出版社ページから引用&改訂します。

あらすじ:(公式より引用)

鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。

そこの店主は古本屋のイメージに合わない、若くきれいな女性だ。だが、初対面の人間とは 口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。

だが、古書の知識は並大抵ではない。

人に対してと真逆に、本には人一倍の情熱を燃やす彼女のもとには、いわくつきの古書が持ち込まれることも。彼女は古書にまつわる謎と秘密を、まるで見てきたかのように解き明かしていく。

これは栞子と奇妙な客人が織りなす、“古書と秘密”の物語である。

感想:

ビブリアとは、ラテン語で「本を愛する人」の意味だそうです。

ジャンル的に行くと、古本屋を舞台にしたミステリーです。面白いのは、現実に存在する古書をネタにして、物語が展開するところでしょうか。

ただ、謎解きにはちょっと無理がある部分もあるかなと思いますが。特に第二話は、ちょっと無理筋かなって気がしました。まぁ、馴染みのない本がテーマだったということもあるでしょうが。

古書とそれにまつわる出来事を古書を中心に解き明かして行くということから、まぁ日常の謎の範疇に含まれるんでしょう。さらに、栞子さんの状態から安楽椅子探偵と言ったところでしょうか。

ただ、ちょっと違うのは、謎を解き明かすというよりも、人間関係を解き明かすというところでしょう。そう、謎らしい謎が提示されるのは、第二話だけなんですよね。それ以外は、無理に引っかかる必要もない謎です。

もちろん連作短編なので、最終第四話は全体が集束する物語です。ただ、この第四話は、解き明かすことよりも、物語を閉じることの方に力が置かれているような気がしますね。

全体としては、栞子さんの雰囲気と、古書に対しての蘊蓄を楽しむ小説かと思います。悪くはないので、興味がある方、表紙に惹かれた方は読んでも損はないと思います。全体としては、ラノベの範疇だとは思いますが。

それぞれの章で取り上げられる本は次ぎの通りでした。

第1話 夏目漱石『漱石全集・新書版』(岩波書店)

第2話 小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』(新潮文庫)

第3話 ヴィノグラードフ・クジミン『論理学入門』(青木文庫)

第4話 太宰治『晩年』(砂子屋書店)

まぁ、どれも昔の本なので見たことがないですね。もちろん、中身の本は読んでいますが。そういう意味では、一番身近に感じたのは、サンリオ文庫のディキンスン『生ける屍』でしょうか。読んだことがあるような気が。でも5万円ですか。(苦笑)