B 「半熟作家と文学少女”な編集者(ミューズ)」 野村 美月
ファミ通文庫(エンターブレイン) ISBN:978-4-04-727222-4

長く続いたような気がする“文学少女”も、この『半熟作家と“文学少女”な編集者(ミューズ)』で終わりとのことなので、いよいよ大詰めです。

本編が終わってからも長かったですが、それも色々とまぁ楽しめました。コミックスで読まれている方は、まだまだ続きがあるようですが、自分は小説しか読んでいないので、これで線引きです。しかし、OVAの感想が一部だけ書いていて中途半端なので、どこかで補填するかもしれませんが。

どういう締め方をしてくれるのか気になっていました。ラストは、やはり遠子さんだと思ってはいたのですが・・・。

ということで、“文学少女”シリーズの最終巻、感想行きますです。表紙は遠子さんと快斗くんですね。

例によって、あらすじを出版社から引用します。

あらすじ:

"文学少女"シリーズ、これが最後の物語――。

新しい担当編集の天野遠子嬢は、清楚な美人だった。

――が、いきなり本棚の前でグルメ批評を始めるわ、ほんわか笑顔で容 赦なく原稿修正を指示してくるわ、売れっ子高校生作家たるオレが、どうしてこうも振り回される!? そんな時届いた脅迫状じみたファンレター。

そこにはまだ刊行される前の小説の内容が書かれて……って差出人は、まさか!? 

半熟作家・雀宮快斗とその担当編集者遠子が織りなす、物語や文学を食べちゃうくらい愛する"文学少女"の、最後の物語。

感想:

あれれ?これが最終巻ですか?まぁ、本編は「“文学少女”と神に臨む作家」で終わっているので、それを壊したくないというのも分からなくはないですが、それならば続編というか、番外編をこれほど書く必要もなかったのでは。ラストは当然、遠子さんと彼の結婚式か何かで締めてくれるのかと思っていました。

あのラストも、あまり言われませんが、これまで「ミステリ仕立て」で書かれてきたこのシリーズからすると、どんでん返し的に悪くはないのですが、あまりそれを気にする読者もこのラストに及んではいないのではないでしょうか。う~ん。(悩)

長編といいながら、連作短編の形式だったので、それぞれに、簡単感想を。

◆半熟作家と“文学少女”な編集者(ミューズ)

本のタイトルになっている作品ですね。雀宮 快斗くん登場ということで。ここでは、もっと美羽というか、井上 心葉との絡みがあるのかと思っていました。コメディ仕立てで、本歌取りは『伊勢物語』です。

◆半熟作家とスキャンダラスな淑女(スカーレット)

う~ん、快斗くんが遠子さんの編集の指導力で、一歩前に進む話ではあります。ただ、この巻でやらなくでもって感じ。本歌取りはタイトル通り『風邪と共に去りぬ』です。

◆半熟作家と空騒ぎの学友達(ハムレット)

う~ん、快斗くんが学校に行く話で、全然要らないお話し。本歌取りはタイトル通り『ハムレット』です。ただ、遠子さんが“文学少女”になるのは、ちょっと嬉しいかも。

◆半熟作家とページを捲る“文学少女”(ディアーズ)

締めのお話です。ここで、快斗くんが心葉と会うのかと思っていたのですが。本歌取りは、『伊豆の踊り子』になるのかな?

ということで、長く続いたこのシリーズもおしまいです。次のシリーズは、また竹岡さんとのコンビらしいので、ちょっと読んでみようかな。

あ、ラストは、画集が残っているようです。(汗)

その他の感想はこちら。見るなら番号順にお願いします。

◎アニメ版

劇場版 「“文学少女”」
OVA 「“文学少女”メモワール I」-夢見る少女の前奏曲(プレリュード)-
アニメ「“文学少女”の今日のおやつ~はつ恋~」

◎小説版(原作)

13◆「“文学少女”と恋する挿話集 4」
12◇「“文学少女”見習いの、卒業。」
11◆「“文学少女”と恋する挿話集 3」
10◇「“文学少女”見習いの、傷心。」
9 ◆「“文学少 女”見習いの、初戀。」
8 ◇「“文学少女”と恋する挿話集 2」
7 ◆「“文学少女”と恋する挿話集 1」
6 ◇「“文学少女”と神に臨む作家」下
5 ◆「“文学少女”と神に臨む作家」上
4 ◇「“文学少女”と月花を孕く水妖」
3 ◆「“文学少女”と慟哭の巡礼者」
2 ◇「“文学少女”と穢名の天使」
1 ◆「“文学少女”と繋がれた愚者」(+「“文学少女”と死にたがりの道化」 +「“文学少女”と飢え渇く幽霊」 )