K 「傾物語」西尾 維新
講談社 ISBN:978-4-06-283767-5

小説の2期から感想を書くといいながら、すっかり遅くなりました。もう次の『花物語』が出ちゃってますがな。ただ、覚えている人もいないでしょうが、書くって宣言したので一応行っておきます。

次の『花物語』の感想は、間を空けずに書くつもりです。(本当か?)

自分的には羽川 翼ちゃんが一番好きなのですが、この『傾物語』は、八九寺真宵ちゃんの物語ということで、彼女にあまり思い入れがないというのも、遅くなった理由かも。

まぁ、そういうことはどうでもいいので、感想を書いておきます。時期がずいぶん遅れたので、簡単に簡単に。

まずは、出版社からあらすじを引用しておきます。

あらすじ:

100パーセント修羅で書かれた小説です……。――西尾維新

“変わらないものなどないというのなら――運命にも変わってもらうとしよう”

迷子の小学生・八九寺真宵(はちくじまよい)。

阿良々木暦(あららぎこよみ)が彼女のために犯す、取り返しのつかない過ちとは――!?

<物語>史上最強の2人組(ツーマンセル)が“運命”という名の戦場に挑む!

これぞ現代の怪異! 怪異! 怪異!君の影、探してまよう帰り道。

感想:

この巻から「化物語」シリーズの第2期の第二弾。先の『猫物語(白)』の視点が羽川 翼ちゃんの視点だったので、この先もこの第2期は、女の子たちの視点で進むのかなと思っていたのですが違っていました。

この『傾物語』では、また阿良々木 暦の視点に戻っています。まぁ、真宵ちゃん視点では成立しない物語ですが。

<以下、本の中身に言及している部分があります。ネタバレにはならないようにしますが、未読の方はご注意を>

というか、真宵ちゃん自身が活躍する物語でもないので、ちょっとびっくりしました。当然彼女が主役級に活躍すると思っていたんですが、阿良々木 暦と忍野 忍ちゃんのツールンセルが主役というか、ほとんどその二人しか登場しない物語でした。

ストーリー的には、これはもう『化物語』ではないですね。やはり、このシリーズにSF要素を取り込んだことに失敗があると思います。はい、これは失敗だと思っています。面白くないです。

こういうネタをやるのなら、せめて忍ちゃんの能力でアレをやるのではなく、超自然現象(?)でやって欲しかったなぁ。それなら、まだ許せたかも。

ただ、『猫物語(白)』で振られた伏線らしきものは、きっちりと消化されていました。

しかし、羽川が苦しんでいたときに、阿良々木 暦はこういうことをやっていたんですね。羽川可哀想。

ということで、次は真宵ちゃんよりも、もっと興味が薄い神原 駿河ちゃんの『花物語』ですか。う~ん。

さて、『傷物語』の映画化が2012年に決まりましたね。個人的には、『偽物語』の方が見たいかも。

『猫物語(白)』の感想はここ