G 「ゴーストハント(2) 人形の檻」小野 不由美
メディアファクトリー 幽BOOKS ISBN:978-4840136884

11月から始まりました隔月刊行、講談社X文庫ティーンズハート版『悪霊シリーズ』のリライト版「ゴーストハント」の2巻目です。

前巻の感想でも書きましたが、『悪霊シリーズ』として初めて出版されたのが1989年ですか ら20年以上前からずっと人気があるのはすごいことですね。Amazonくんでも売り上げ1位でした。

さて、「ゴーストハント」は前巻の「旧校舎怪談」は、オカルトの衣を着たミステリだったのに対して、この「人形の檻」からは、ミステリ仕立てのオカルトになっていって、段々と怖さが増していきますので楽しみですね。

ということで、講談社X文庫ティーンズハート版との比較は、次週追記するとしてまずは感想行っておきます。 (追記しました)

ということで、「ゴーストハント(2) 人形の檻」感想行きます。

講談社X文庫ティーンズハート版、漫画版、アニメ版とフルコンプリートです。この2巻は講談社X文庫版『悪霊がホントにいっぱい!』、マンガ版、アニメ版だと「人形の家」にあたります。

あらすじ:(出版社特設サイトから引用)

ポルターガイスト現象が頻発するという洋館の調査に赴いたSPR一行。

調査開始直後から現象はさらに激しさを増してゆく。怪しい物音、ひとりでに移動する家具、火を噴くコンロ。

麻衣は依頼者の姪・礼美が人形と言葉を交わすのを耳にした。

ぼーさんこと滝川法生は、人形に憑いた霊を祓おうと試みるのだが……。

感想:

あらすじが、なんとなくぼーさん中心になっていますね。なので、裏表紙がカッコいいぼーさんのアップなのか。(苦笑) でもやっぱり法衣を身につけて欲しかった気も。

それはそうと、本の色が青になっていました。1巻が赤だったので、赤で通すのかと思っていたんですが。この調子だと全巻色を変えてくるんでしょうね。ちょっといやかも。

それはそうと、物語の方へ。

物語は、主人公の谷山 麻衣がナルこと渋谷 一也の渋谷サイキックリサーチ(Shibuya Psychic Research)でアルバイトをしているところから始まります。麻衣の不登校不良化の始まりですね。(嘘)

で、事件は、ポルターガイスト現象が頻発するという洋館で発生します。どうしたことか、たまたまSPRのメンバーに加えぼーさんや綾子も参加することになって、事件が進んでいきます。

物語としては、人形のミニーが犯人(?)として疑われていてその正体が明らかになるところまでが第一の山ですね。やはり、あの人形の首の部分が一番怖いかも。マンガやアニメもあそこは怖かったですし。そして、後半は、麻衣のピンチよりも礼美ちゃんのピンチ部分が怖いです。

物語は、導入でも書きましたが、基本的には謎解き的に進むのですが、その鍵が全て示されるわけでもないし、超自然的な要素で解決するのでミステリではなくオカルトです。それが1巻との大きな違いです。なので、怖さは1巻よりも数倍こちらの方が怖いですね。

構成はミステリのそれを踏襲しているのですが。そして、それが『ゴーストハント』の特徴でもあります。そして、段々と濃くなる衒学(ペダンティック)的な内容もいい感じです。アニメ版ではずいぶんとその部分が削られていましたが、これがないと『ゴーストハント』ではないですよね。

さて、リライトですが、きちんとした比較は別途書きますが、ずいぶん麻衣の存在感が薄くなっている感じがします。というか、やはり以前のホワイトハート版での麻衣の語り口が書き直されているんだろうなっていう感じです。その分読みやすいですが、感情移入という分は若干弱くなっているかも。

ただ、リーダビリティと面白さは、このリライト版の方が上という感じがします。特にこの2巻は、リライトの出来がいい気がします。

<この辺りに比較を書きます。←書きました

一番大きな改変は、ある登場人物が増えていることですね。その登場人物は、この事件の元となった部分の謎解きの重要な鍵を知っています。そのため、元々の講談社X文庫ティーンズハート版よりも、謎の究明部分にページが多く割かれています。

その謎解きを入れたために、いなくなった子供たちの背景や、事件の根幹部分にいる霊の心境(?)がハッキリと描かれ、今回の事件に深みを与えていると思います。元の小説では、結果として麻衣の夢だけがその部分を描いたもので、後はナルの台詞だけですから、物語がストレートであっさりしていますよね。

ただ、そういう謎解き要素を加えると、間延びしてその分オカルトとしての怖さが弱くなってしまいがちです。それを避けるために、後半の霊との闘いがかなり書き換えられています。ジョンの活躍部分も増えていますし。ただ、前半のミニーほどのインパクトがないのは残念ですけれど。

全体として、物語に重みと深みが与えられ、より面白くなっていると思います。

ここまで

ということで、漫画版やアニメ版とも後半はかなり違いますので、そこから入られた方にもお勧めです。ぜひ読んでみてください。

しかし、このタイトル改変は秀逸だなぁ。

「ゴースト ハント(1) 旧校舎怪談」の感想はここ

漫画版の感想はこの辺り
アニメ版の感想はこの辺り