C 「クロノ×セクス×コンプレックス (3)」壁井 ユカコ
電撃文庫  ISBN:978-4048700450

洗濯が終了するまでの間に感想記事をばということで「クロノ×セクス×コンプレックス」の3巻です。このシリーズの感想を書くときには、いつも洗濯をしているような。(汗)

2巻から絵師が交替したんですが、2巻はさほど違和感がありませんでした。しかし、やっぱり、前のデンソーさんの方がなんとなくいいですね。特にこの3巻は表紙といい、中の挿絵といい、ちょっと違うんじゃないかなって感じでした。どことは言えないんですが、あの目が嫌いなのかも。

ということで、感想行きます。

まず、出版社からあらすじを引用します。

あらすじ:

ついに三村とミムラが対面!? 司書の正体とは──!?

念願の現代日本に帰ったミムラ。だが幼なじみの小町は存在ごと消え、故郷の姿は変わり果てていた。

意気消沈して学園に戻ったミムラのためにオリンピアが使った時間魔法で、学園に起こる大パニック。

そしてミムラは、時間の改変がもたらす恐ろしい結果、そして「小町を忘れるな」という司書の言葉の意味を知ることになる。

司書の正体とは──!

感想:

第1巻は、女の子サイド、第2巻は、男の子サイドの物語でした。ちょっと第2巻は、1巻からの続きとしては肩すかし気味だったのですが、この3巻は、きちんと1巻の設定・テーマを引き継いだストーリーになっていました。

<以下、本の中身に言及している部分があります。未読の方はご注意を>

まず、2巻のラストで、自分の世界からショックを受けて戻ってきたミムラでしたが、その理由が明らかになりました。まぁ、自分と出会ったことは置いておいて、小町の存在がなかったことになっていたことは、ミムラにとって大きなショックだったようです。

そして三村。彼(彼女)がこの事件のひき金を引いているわけですが、まぁ彼が出てきてから、物語が抜群に暗くなりました。所謂鬱展開ですね。それは、主人公のミムラが落ち込んだままなので、仕方がないのでしょうが。

そんなミムラを励まそうと頑張るオリンピアが、またひと騒動起こすわけですが・・・。

そして司書の正体。あれだけを読むと、図書館司書の正体はあの人だと思うのですが、こちらの人という可能性もないわけでもないと思うのですが、ミムラは確信しているように思えます。どうなんでしょうか。(ネタバレしたくないので分かりにくい文で申し訳ありません(苦笑))

ところで、タイムトラベルものでは、必ずといっていいほど鍵となるのが、タイムパラドックスですね。結局、この物語では、歴史の改変が行われているんですが、そのパラドックスについては、きちんと語られていないです。過去を改変することで、未来が変わることは語られますが、それにより世界がどうなるのかが不明です。

魔法学校が時間の影響を受けない場所にあり、そこにいる決められた人間だけが改変を行うためなんでしょうが。でも、実際には何回も改変が行われているわけですから、そこを明らかにして欲しいですね。

ということで、自分としては、小町がどういう人物かあまり語られていないため、どうしてもオリンピア側に肩入れしてしまいます。次ぎでは、彼女が未来を変えるために奔走するのでしょうか。楽しみです。

「クロノ×セクス×コンプレックス」(1)の感想はこちら
「クロノ×セクス×コンプレックス」(2)の感想はこちら

「五 龍世界 WOOLONG WORLD 霧廟に臥す龍」の感想はこちら