B 「"文学少女"見習いの、卒業。」野村 美月
ファ ミ通文庫(エンターブレイン) ISBN:978-4-04-726725-1

いよいよ「"文学少女"見習い」もこれが最後、なんでしょうか?なんだか、こう順調に「"文学少女"見習い」の巻数を重ねられると寂しいものがありますよね。なんだか、本編よりもそちらがメインのような感じになってしまって。

それはともかく、これに合わせてというわけでもないのですが、『“文学少女”のグルメな図書ガイド』を読みました。感想としては、野村さんと竹岡さんの書き下ろしがもっとあればいいのに、って感じでしょうか。監修が野村さんなので大丈夫だとは思うのですが、どうも便乗本に思えてしまうので。

とはいえ、そんなことは作品の問題ではありません。おねおねと『文学少女見習いの卒業』の感想を書いていきたいと思います。

ということで、“文学少女”シリーズの新刊です。

例によって、あらすじを出版社から引用します。

あらすじ:

もうひとつの“文学少女”の物語の、終わりとはじまり。

「わかったでしょう? 邪魔よ」 親友の瞳から、そう告げられた菜乃。しかも心葉は、そんな瞳とつきあうという! 

仰天する菜乃の前に、さらに、瞳の過去 ――人を死なせたと噂された三年前、彼女の側にいた人物が姿を現す。

瞳に何か起こっているなら、引くわけにはいかない! 心を決め、動きはじめた菜乃に、 心葉は一冊の本を差し出し……。

瞳が抱く秘密とは? 
そして、迫る心葉との別れと、菜乃の初恋の行方は――。

もうひとつの”文学少女”の物語、堂々完結!

感想:

う~ん、「"文学少女"見習い」シリーズもこれで終わりなんでしょうか?終わりって言うほどの感慨がなかったんですが。

まぁ、それは、一度本編の"文学少女"シリーズで、お話に対して自分なりの決着をつけているからでしょう。もちろん菜乃ちゃんがいまひとつ好きになれないからだというのもありますが。

で、今回のこの本には、実は物語が三本入っています。

□"文学少女"見習いの、寂寞。

… 菜乃の友人瞳が心葉先輩と付き合うことになったぁ???
  夏目漱石の『こころ』が本歌取りです。長さだけなら、コレがメインですか。
  『こころ』ということでなじみが深い題材ですが、重いですね。でもちょっと長すぎ。
  もう少し刈り込めばすごく面白いミステリになりそうなのに。

■ある日のななせ

… 「寂寞」と「卒業」をつなぐ(?)ショートストーリー。"文学少女"ではないので、本歌取りはありません。
  何も起きないお話ですが琴吹ななせちゃんファンとしては、彼女の想いの深さに感動です。

□"文学少女"見習いの、卒業。

… あのリボンの話を考えると、結局この「"文学少女"見習い」シリーズは、この「卒業」が最初からやりたかったのかなって思いました。チェーホフの『桜の園』です。
  "文学少女"の遠子先輩の話は決着が着いているし、その後の心葉にも決着がついています。
 残りは、文芸部の行方ですよね。それに決着をつけるための「見習い」シリーズだったと。

全体としては、「"文学少女"見習い」シリーズにも慣れたためか面白いです。ただ、どうせ、メインとは関係ない話をずるずるするのなら、遠子先輩-心葉君の枠組みでやって欲しかったです。

何度も書いている気がしますが、麻貴さんの言葉でいう「井上心葉関係者」の扱いがあまりにもって感じがします。まぁ、それでもななせちゃん意外は、それぞれの居場所を見つけているのでまぁいいのでしょうけれど、この菜乃ちゃんの役割りはまるっきりななせちゃんナンですよね。もちろん性格が違いますから、やることも違うんでしょうけれど。

というより、やはり最初に書いたように卒業ということで、文芸部の将来を託す人物を出しておきたかったのでしょうか。それとも、遠子先輩の代わりの"文学少女"が欲しかったんでしょうか。

ただ、この「卒業」では、ななせちゃんがかなり前に出てきている(というか性格がかなり変わってないかい?)ので、彼女のファンにも楽しめる内容だとは思います。ホワートデーイベントは、思いっきりすっ飛ばされていますが、あれだけ思わせぶりに描いてあるので、次の「“文学少女”と恋する挿話集(エピソード)  4」のメインになるんだと思っています。

楽しみにしていますので、どうかちょっとはななせちゃんの想いをかなえさせてあげてくださいな。(笑)

その他の感想はこちら。見るなら番号順にお願いします。

◎小説版(原作)

11◆「“文学少女”と恋する挿話集 3」
10◇「“文学少女”見習いの、傷心。」
9 ◆「“文学少女”見習いの、初戀。」
8 ◇「“文学少女”と恋する挿話集 2」
7 ◆「“文学少女”と恋する挿話集 1」
6 ◇「“文学少女”と神に臨む作家」下
5 ◆「“文学少女”と神に臨む作家」上
4 ◇「“文学少女”と月花を孕く水妖」
3 ◆「“文学少女”と慟哭の巡礼者」
2 ◇「“文学少女”と穢名の天使」
1 ◆「“文学少女”と繋がれた愚者」(+「“文学少女”と死にたがりの道化」 +「“文学少女”と飢え渇く幽霊」 )

◎アニメ版

劇場版 「“文学少女”」
OVA 「“文学少女”メモワール I」-夢見る少女の前奏曲(プレリュード)-
アニメ「“文学少女”の今日のおやつ~はつ恋~」