H 「主よ、永遠の休息を」誉田哲也
実業之日本社  ISBN:978-4408535692

誉田さんと言えば、最近では「武士道シックスティーン」に始まる『武士道』シリーズで有名ですが、自分は彼の警察小説から入ったので、ミステリ畑の人だと思っています。特に、姫川玲子シリーズが好きなんですが。

ただ、『武士道』シリーズや『疾風ガール』シリーズなど、青春小説の内容と比べると余りにも黒いというかエグイ描写が出てくるので気をつけた方がよいですね。

で、この「主よ、永遠の休息を」は、犯罪小説なのでどちらかというと、黒い誉田哲也側の作品ということで、気をつけてはいたのですが・・・。

ということで、さくさくと感想を書いておきます。

あらすじ(出版社から引用):

共有通信東京支社社会部に勤務、池袋警察署の記者クラブに詰める鶴田吉郎は、コンビニ強盗の現場に居合わせ、犯人逮捕をスクープ。店員の芳賀桐江と知り合 う。

逮捕に協力して立ち去った男から、暴力団の事務所が襲撃された事件を知らないか、という奇妙な問い合わせが。

襲撃の有無を調べる過程で吉郎は、14年 前に起きた女児誘拐殺人事件の「犯行現場と思しき実録映像」がネット上で配信されていたことを突き止める。

犯人は殺害を自供したが、精神鑑定によって無罪 となっていた――。

感想:

一言、ああぁ、読まなければ良かった。(泣)

まぁ、読み終わった後に印象に残るのは、小説自体に力があるには違いないのですが、それでも後味が悪いです。

小説的には、現実にあった、あれやこれやの子供を対照にした事件を元にしているのでしょうけれどねぇ。少年、少女が巻き込まれる犯罪というと、ジョナサンケラーマンやアンドリュー・ヴァクスが思い当たりますが、彼らの小説と違ってこれは救いがない結末なので、かなり嫌悪感を抱きました。

誉田さんの小説の特徴に、そのリーダビリティの高さというのがありますが、言い換えれば結構文章が軽いんですよね。それで、この内容を書かれるとちょっと吐き気というかなんというかいけません。もちろん背景には、こういう犯罪を許さないというものがあるのでしょうけれど。

今までの彼の警察物には、結構猟奇的な事件が出てくるのですが、対照が子供というのはだめですね。昔は読めた気がしますが、今子供を育てている身となってからはそういう小説は受け付けなくなっています。

点数は辛いですが、そういう背景があってのものとしてください。