S 「死亡フラグが立ちました!」七尾与史
宝島社文庫 ISBN:978-4-7966-7725-7

以前にアパパネさんからお勧めされていた第8回「このミステリーがすごい!」大賞の隠し玉、「死亡フラグが立ちました!」を遅ればせながら読んでみました。

以前に「もののけ本所深川事件帖 オサキ江戸へ」の感想で、「このミス大賞」には当たりが少ないなんて書いていますが、そんなに外れっていうのも読んでいない気がするので、そこそこ期待して読んでみました。

ただ、タイトルがどうも『バカミス』っぽいものだったので気にはなっていたんですが。(笑)

では、感想をば。

ということで、あらすじを出版社から引用しておきます。

あらすじ:

\騒然/
『このミス』大賞が驚いた!


ミステリー史上最凶の殺し屋による完全犯罪!
「思いがけない何か」が起こり、
24時間以内にあ なたは必ず死ぬ――

『このミス』編集部が驚愕した話題作です!“死神”と呼ばれる暗殺者のターゲットに なると、24時間以内に偶然の事故によって殺される――。特ダネを狙うライター・陣内は、ある組長の死が、実は“死神”によるものだと聞く。事故として処 理された組長の死を調べるうちに、他殺の可能性に気づく陣内。凶器はなんと……バナナの皮!?

【死亡フラグ】とは、漫画などで登場人物の死を予感 させる伏線のこと。キャラクターがそれらの言動をとることを「死亡フラグが立つ」という。

感想:

『バカミス』かなと思って読んだら、やはり『バカミス』でした。(苦笑)
いえ、誤解があるといけないのですが、『バカミス』は悪口ではありません。極端な意外性に富んだ作品を総称してそう呼ぶようです。

この「死亡フラグが立ちました!」も『死神』という殺し屋の行動や、その殺人方法が『バカミス』たる所以だと思います。

殺人を殺人と見えないように行うための準備、伏線が「死亡フラグ」ということになります。その伏線が、複雑に組み合わされて、芸術的な殺人が行われるということになります。

ただねぇ、無理があるのは承知で読んでいるのですが、前半に色々と立てたプロットが一本に集約されてと見せかけながら、このラストは・・・。

<以下、本の中身に言及している部分があります。ネタバレはしないつもりですが未読の方はご注意を>

結局、誰が主人公で、どの視点で物語を集約させるかをきちんと考えていないからこうなるのではないでしょうか。あれだけ陣内の書く記事を前半に引っ張ったのですから、ラストもそこに落とせば、座りもよかったでしょうに。

もう少し、何かを予感させるような、この後はご想像におまかせしますならまだいいのですが、まさに投げっぱなしで終わっているので、がっくり感が高まります。

ただ、途中の複数の「死亡フラグ」が集束してくる部分はなかなか面白かったし、文章も読みやすかったので、もう少し期待してみたいとは思います。