S_2 「灼眼のシャナXX」高橋弥七郎
電撃文庫 ISBN:978-4048684514

8日に買いましたが、最近のシャナは、読むのにかなり“存在の力”を消費するので時間が掛かりました。

いよいよシャナも20巻の大台です。いつだったか、20巻ぐらいでおわりましょうかなんて話題をした気もしますが、その予想はもう大外れですね。

さてさて、19巻は“祭礼の蛇”本体の復活がメインテーマだったわけですが、ちょっと展開がスローですね。18巻のシャナの決意というか覚醒から一気に進むのかと思いましたが、19巻は悠二側の復活でした。

ならば、この20巻は本格激突かとも思っていたんですが、さてどうなったのでしょうか。

ということで、さっさと第20巻感想行きます。

ひとまず、出版社からあらすじを引用しておきます。

あらすじ:

『久遠の陥穽』から帰還した坂井悠二。そして、フレイムヘイズ殲滅戦が始まった。

“紅世の徒”とフレイムヘイズの最終決戦。その勝敗の天秤は、“祭礼の蛇”復活により、“徒”側に大きく傾いた。

起因となったのは、“蛇”と運命共同体である坂井悠二による『大命宣布』。それは、フレイムヘイズ兵団を敗北に追い込むに足る、フレイムヘイズと“徒”双方の想いを汲み取った、まさに“創造神”たる宣言だった。

宣布直後。
勝機と見た“徒”らは、[仮装舞踏会]三柱臣の一柱・『将軍』シュドナイを指揮官とした包囲殲滅戦を展開する。

圧倒的に不利な状況下で、フレイムヘイズ兵団は、撤退を余儀なくされる。

そして、とある討ち手の命が儚く燃え尽き……。

怒濤の最終決戦、決着間近!

感想:

ということで、20巻です。マンガではないし、シャナはラノベでも読みやすい本ではないので、今まで良く読んだなぁって感じがしました。20巻以上読み続けているって何があったかなぁ。エド・マクベインの87分署シリーズが一番多いのは間違いないんですが。

余談でした。

さて、19巻が“祭礼の蛇”本体の復活がテーマだったので、次は激突!ってスピルバーク的に思っていたんですが違いました。

<以下、本の中身に言及している部分があります。ネタばれには注意しますが未読の方はご注意を>

シャナの決意→“祭礼の蛇”の復活から、この20巻は悠二の目的が判明する巻でした。とはいえ、悠二が特に反発することもなく素直に“祭礼の蛇”に従ったことから、利害が一致していることは明確だったことと、今までもかなり仄めかしていたことで結構予想は付きましたけれどね。

ということで、『大命宣布』です。今まで散々伏線を張ってきた『大命』ですが、けっこう盛り上がらない場面でネタ晴らししたなぁって感じです。自分としては、シャナと悠二がぶつかっている中で、悠二の口からシャナに『大命』の中身を伝えるというというのを期待していたんですけれど。結局あれは、『大命宣布』の形を採っていますが、悠二的にはシャナへの想いを吐露した感じですよね。あれは、悠二のシャナへの決意表明でもあったわけです。

しかし、そうは言いつつも、シャナはもう既に決意を固めてしまっていますし、フレイムヘイズとしても成長してしまっていますから、揺らぎがないですよね。

悠二とシャナが揺れる部分があったので、ここまで長いシリーズでも読者を引きつけていたわけですが、ここ数巻は18巻を除くとシャナと悠二以外の部分でストーリーが展開していて、ちょっと引っ張りすぎかなって感じもします。これが5巻や10巻のように1巻だけならば、目先が変わって楽しめるのですが。

***

この20巻の主役の一人は『犀渠の護り手』ザムエル・デマンティウスだと思います。確かに格好良かったんですが、やはり思い入れが違うので、序盤の“嵐蹄”フェコルーの方が感動してしまいました。

ところで、この巻のもう一人の主役『皓露の請い手』センターヒル、“千変”シュドナイとの戦いは描かれませんでしたが、やはり書かれている通りなんでしょうか?台詞ではなく地の文に書かれているので、間違いはないんでしょうね。

『大地の四神』が参戦となると、『星河の喚び手』イーストエッジも再登場でしょうか。センターヒルの能力を見ると、やはり世界の理を司る神としての力は、別物という感じがするので、彼らがどう動くかもポイントかもしれません。あの『トラロカン』の力は、そういうことですよね。ネタバレせずには書けないなぁ。

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さて、建設的な感想で行きますと、やはりポイントは冒頭の“彩飄”フィレスの登場でしょう。彼女は何をやっているんでしょうね?奇跡というからには、あれかなという予想はあるのですが。彼女が受け入れられないということは、変質しながらも一応今も『零時迷子』の中にいるはずの『永遠の恋人』ヨーハン絡みですよね。『零時迷子』を使って悠二を“祭礼の蛇”から人間に戻すのではないかと思うのですが、ラストのアレからするとちょっと違うかな?

あと、“千変”シュドナイと『弔詞の詠み手』マージョリー・ドーが戦いに本格参戦しました。シュドナイは、20巻での三人目の主役って感じで大活躍でしたが、マージョリーはもう少し活躍してほしかったなぁ。でも、やはり彼女の詩があるとアクセントになっていいです。また、シュドナイが活躍したために『極光の射手』キアラ・トスカナの一撃が、やたら格好良く読めましたです。

ということで、21巻ではいよいよ御崎市を舞台に吉田さんも参戦ですか?『ヒラルダ』がどうやら最後のキーのように思えますですが、彼女はどう動くのでしょうか。

後は、『星黎殿』にひっそりと残っている“屍拾い”ラミーこと“螺旋の風琴”リャナンシーがどう動くのかですね。

『次回は、いよいよ最終章の前編』とのことなので、楽しみに待ちましょう。

小説版の感想はこちら
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次の第21巻の感想はこちら

http://d.hatena.ne.jp/nunnnunn/20100411/1270983726