T 「扉守 潮ノ道の旅人」光原 百合
文藝春秋 ISBN:978-4-16-328730-0

えっと、光原 百合さんの新刊ですが、既に4ヶ月経ってますねぇ。と言っても、今まで光原さんの本の感想を書いたことありましたっけ?・・・ないですね。(苦笑)

光原さんは、ミステリ畑ですと、日常の謎を扱う作家さんで、やさしい作風が特徴です。

絵本作家でもあるようですけれど、そちら側の作品は、読んだことがありません。ごめんなさい。

この作品は、純粋な本格ミステリではなく、伝奇ものというかファンタジー畑の作品です。ミステリではない作品を光原さんがどう料理するのか、楽しみにしたいと思います。

あらすじを出版社から引用しておきます。

あらすじ:

港町で暮らす人々の悲しみを、魔法使いが鎮める。

海と山に囲まれた潮ノ道市で住民が次zに不思議な体験をする。持福寺の住職・了斎が招いた魔力・霊力の持ち主たちが謎解きに挑む。

感想:

えぇ~っ?あらすじって、全然違っていないかい?(苦笑)

広島県の潮ノ道市に起きる少し不思議な出来事を描くファンタジーテイストの伝奇モノの短編集だと思いますけれど。マンガの夏目友人帳っぽいかも。で、謎解きに挑むって、どの辺りが?完全否定はしませんが。(苦笑)

確かに、持福寺の住職・了斎さんはすべての話に登場します。ただし、彼はあくまでも狂言回しに過ぎず、メインのお話は彼とは違う部分を軸に進行します。

で、この短編集を通していえることなんですが、何で「扉守」ってタイトルなんでしょう?この中で、一番出来が悪いんじゃないかぃ?雰囲気的にはトップに登場した「帰去来の井戸」が、一番好きかなぁ?でも、これがいちばんファイタジー色が薄いんですよね。しかも、読んでいて苦しい。だけれども、後味は悪くなくて、結構感動できます。

だけれども、本の後の短編に行くと、だんだんなんだか軽くなっちゃって、まさにラノベレベルの作品になっています。軽すぎる。(苦笑)

光原さんの作品は今まで『時計を忘れて森へいこう』、『遠い約束』、『十八の夏』など4~5作を読んだと思いますが、一貫してやさしい作風でした。それはそれでよいとは思いますが、今回のこのようなテーマだと、それが変にキャラものっぽく読ませてしまう結果になるようです。ここを深掘りするとネタバレなので追いかけませんが。

まぁ、好きな人は好きなんでしょうけれど。ええ、そういう自分も結構楽しめました。というか、光原さん自体が贔屓作家なので、そう思うのかもしれません。(笑)