S DVD付特装版「 "文学少女"見習いの、傷心。」野村 美月
ファミ通文庫(エンターブレイン) ISBN:978-4-04-726029-0

やっと入手しました。というか、予約受け付け開始早々にAmazonで予約していたのですが、送り先住所を間違えていたのです。そのため、去年の12/28には届くはずのものが、入手できたのは1/9。(号泣)どうも、配達会社との意思疎通がうまくいかず、ネットで転送申し込んだのに聞いていないとか、もめちゃったのですね。

とはいえ、そんなことは作品の問題ではありません。おねおねと感想を書いていきたいと思います。

これは、DVD付特装版「 "文学少女"見習いの、傷心。」なのですが、DVDの内容については、別記事に感想を書きます。今回は、本編のみということで。

ということで、“文学少女”シリーズの新刊です。

例によって、あらすじを出版社から引用します。

あらすじ:

「きみが大嫌いだ」井上 心葉にそう告げられてしまった日坂 菜乃。

その日以来、心葉は本心を見せず、取り繕った笑みで菜乃に接するようになる。そんなのは嫌だ!  と、夏休み、菜乃はある行動に出るが……。

傷心の夏が過ぎ、秋。文化祭に向け賑わう校内で、菜乃はまた新たな出逢いを体験する。

不吉な影を背負った少女。 彼女に関わる中で、菜乃は彼女の、そして心葉や琴吹 ななせ、皆が様々に心に抱える闇と光を見つめることになる。

もうひとつの"文学少女"の物語、第2弾!!

感想:

DVD付特装版に付く限定DVDには、オリジナルアニメーション『"文学少女" 今日のおやつ〜はつ恋〜』と、『劇場版"文学少女"』予告映像が収録されています。おまけに、カバーは特装版オリジナルの描き下ろしということで、菜乃と遠子先輩の共演です。できれば、特装版には両方の表紙を付けてほしかったなぁ。

ってことは、DVDの記事で書きましょう。

今回は、前回で心葉に惚れ込んだまっすぐ少女・菜乃が、文芸部で文学少女を目指し始めたところから始まります。しかし、前巻強引にアレしたこともあり、心葉は菜乃に対して心を閉ざしてしまっているため、前には進まないわけです。

で、今回のこの本には、実は物語が三本入っています。

・"文学少女"見習いの、傷心。

… 菜乃に心葉が心を許し始める部分が描かれています。シュトルムの『みずうみ』が本歌取りです。

・"文学少女"見習いの、怪物。

… 全体のタイトルは「傷心。」ですが、メインのお話はこちらです。本歌取りは、シェリーの『フランケンシュタイン』ですね。

・ある日の千愛

… 結構人気があるんぢゃないかと思っている竹田 千愛ちゃんのショートストーリーです。

で、話題は当然「"文学少女"見習いの、怪物。」になります。

で、これ面白いです。キャラクタの使い方にはというかななせちゃんの扱いには色々不満はありますし、相変わらず菜乃のことは好きではない、嫌いなキャラクタなんですが、でもお話しは面白いです。

<以下、本の中身に言及している部分があります。ネタバレには気をつけますが、未読の方はご注意を>

それは本歌取りの『フランケンシュタイン』がホラー(幻想?)小説のため、作品の雰囲気全体がサスペンス色が強くなっていることに起因していると思います。

誰も賛成してくれないのですが(苦笑)、この"文学少女"シリーズは青春ミステリだと思うんですよね。その雰囲気にマッチしているということですね。というか、以前のボケ役が遠子先輩だったのが菜乃に代わっているのですが、ボケ役が主人公で空回りしている部分をサスペンス色を強めて補填している感じでしょうか。

と、結局そういう部分も含めて、菜乃は遠子先輩と表面上は似ていますよね。心葉くんもそう感じているようだし。そうだけれども、視点は旧シリーズの心葉くんやななせちゃんとは違い菜乃にありますから、その穴埋めなのかもしれません。そこが、遠子先輩のときとの違いであり、面白いところだと思います。

まぁ、それはさておき、今回の犯人と仕掛けは、結構予想が付きました。ただ、鴉の正体を除いては。ですから、自分的な興味は、ご贔屓のななせちゃんがどう扱われるだったんですけれど、この巻では、それなりにスポットがあたっていてまぁ「初戀。」よりも扱いが良かったです。

だけれども、結局はななせちゃんは、終わった存在なのですね。心葉の台詞がそれを示していて、すごく哀しかったです。

おまけに、ラストシーンがあれですからねぇ。あれなら、あのラストシーンの役をななせちゃんに割り振って欲しかった。

過去の感想はこちら。

「“文学少女”と恋する挿話集 3」 (最新巻)

「“文学少女”見習いの、初戀。」
「“文学少女”と恋する挿話集 2」
「“文学少女”と恋する挿話集 1」
「“文学少女”と神に臨む作家」下
「“文学少女”と神に臨む作家」上
「“文学少女”と月花を孕く水妖」
「“文学少女”と慟哭の巡礼者」
「“文学少女”と穢名の天使」
「“文学少女”と繋がれた愚者」

http://www.booklines.net/archives/4047260304.php