B2 「武士道エイティーン」誉田 哲也
文藝春秋 ISBNコ−ド:9784163283203

今更ながらに「武士道エイティーン」なんですが、2010年春に「武士道シックスティーン」が映画化ということで、便乗しようということです。はい。

とはいえ、今自分的には、誉田さんのブームが来ていて、「ストロベリーナイト」に始まる姫川シリーズも、「疾風ガール」のシリーズも楽しく読んでいます。読みやすいですからね。

ということで、「武士道シックスティーン」も傑作「武士道セブンティーン」も感想を書いていないので、まぁぶっちゃけて三冊まとめた感想だと思ってくださいませ。

「武士道エイティーン」感想行きます。

ひとまずシリーズの世界観を説明しようと思いましたが、出版社のあらすじで結構わかりそうなので、それを引用しておきます。

「武士道」シリーズの世界観:

日本舞踊から剣道に転向したお気楽不動心の西荻 早苗と、剣道エリートで武蔵オタクの磯山香織。二人は中学最後の区民大会で戦うが、香織はなぜか早苗に負けてしまう。

敗れた悔しさを片時も忘れない香織に、一切そんなことは忘れている早苗。そんな因縁の二人が一 緒の高校になり切磋琢磨していく。

「武士道エイティーン」のあらすじ:

お気楽不動心の早苗と武蔵オタクの香織も高校3年生。早苗は福岡の剣道強豪校で新たな仲間を得て練習に励み、相変わらず硬派マイペースの香織も後輩の指導 に頭を悩ませる日々。そして最後のインターハイが迫り――。

2人の決戦の行方は? “わたしたちの時代”の武士道とは? 

剣道に進路に迷う2人の真っすぐ な姿に笑ったりじんときたり。早苗の姉・緑子や桐谷師範、吉野先生、香織の後輩・美緒など2人を取り囲む人々の「18歳」の物語も盛り沢山。好評青春エン ターテインメント、見逃せないクライマックスです。

感想:

誉田 哲也さんは、ほとんどの小説が女性が主人公で、タイプ的には良い意味でライトノベルっぽい読みやすさと面白さを兼ね備えた作家だと思います。しかし、それが底が浅いとか、軽いとか貶されるポイントでもあったと思います。誉田さんの作品で人死にが多いのは、作者自身がその軽さを意識していたための補正かもしれません。

ただ、この武士道シリーズでは人は死にません。しっかりと正面から二人の少女の成長が描かれています。強烈な殺人事件を扱った姫川シリーズなんかよりも、逆に熱く、重く感じる内容ですね。

かといって、リーダビリティーを犠牲にしているわけではなく、面白くてすいすい読めてしまいます。途中でやめられないですね。それでいながらしっかりと剣道も描写されている。どこかの剣道マンガに見習わせさせたいなぁ。

シリーズ三作の中では、二人の少女のまさに武士道を描いた「武士道セブンティーン」が一番面白いと思うのですが、今から読まれる方は是非「武士道シックスティーン」から読んでください。早苗と香織の因縁がわからないと面白くないですから。

で、自分としてはやはり早苗のファンです。香織のストイックさというか武蔵バカさもいいのですが、やはり早苗のお気楽さが剣道、武士道との比較という意味で面白いです。というか、自分は主人公よりそのライバルに入れ込む傾向があるので、やはり香織が主人公で第二主人公が早苗なんでしょう。

そして、この「武士道エイティーン」も、やはり香織の物語ですね。早苗の<未読用禁則事項>のためもあるのですが、最終決戦としてはやはりもの足りません。香織とレナの方が決戦に近いです。もっとしっかりとページを割いて二人の勝負を描いて欲しかったなぁ。終わり方もあんなのではなくて。

あと、後輩の田原 美緒がすごく良かったです。外伝小説では、彼女の分が一番面白かったぁ。

しかし、これでシリーズは終わりなんでしょうか。最終決戦が不完全燃焼だったので、是非大学での勝負が読みたいなぁ。