A 「アスラクライン 13 さくらさくら」 三雲岳斗
電撃文庫 ISBN: 978-4-04-867763-9

この13巻が一応最終巻らしいです。番外編や後日談もあるようですが、メインストーリー的には完結だそうです。

そう聞くと、どうもアニメに合わせて無理やり原作側も終わらせたのではという気がしてしまいます。逆か。原作に合わせて、アニメを変則2クールにしたのかな?

まぁどちらにしても、しっかりと物語として完結してくれれば、文句はありません。しかも、12巻の最後で、奏ちゃんがあんなことになってしまったので。(号泣)

ということで、せっかくカテゴリ作ったのに、2冊で終わりというのは、どうしようかと悩んでいる「アスラクライン」13巻、感想行きます。

12巻の感想はここです。
アニメ版の感想はここです。

ということで、出版社からあらすじを引用します。

あらすじ:

新たな機巧魔神(アスラ・マキーナ)《黒鐵(クロガネ)・改》を手に入れ、二巡目の世界へと帰還した智春たち。そこでは洛芦和高校の生徒たちが、洛高最大のイベントであるクリスマスパーティの準備に勤しんでいた。

一見なにもかわらぬ平穏な日常。だが世界崩壊の予兆は、そのときすでに智春たちの世界にも現れ始めていた。

非在化を始めた世界。虚空に浮かぶ機械仕掛けの巨大な腕。そして魔神相剋者アスラクラインと化した炫塔貴也が、自らの目的を果たすために建てた巨大な塔……。

かつてない世界の危機を前に、操緒と智春が選んだ最後の決断とは……!?。

シリーズ衝撃のクライマックスへ!!

感想:

う~んやっぱり最終巻なんですね。しかし、先週のアニメでオリジナルだと思っていた部分が、発売前の13巻から採ったものだったとは、ちょっとどうかと思うぞ。(怒)

物語としては、一応の終わりを見せています。こういう終わり方もまぁありかなって感じでしょうか。

ただ、全体としては、やはり駆け足過ぎるという感じがします。もう1巻ぐらいかけてしっかりと、それぞれの戦いを描いて欲しかった。ちょっと、バタバタした感じがあります。特に、最後の方の戦いについてはその感じが強いです。

<以下、小説の中身に言及している部分があります。ネタバレはしないつもりですが未読の方はご注意を>

特に、炫 塔貴也というか「鋼」との決戦ですね。ほとんど闘いらしい闘いはなく終わってしまっています。まぁ、夏目 智春たちの方に重心が掛かっているので仕方がないのかもしれませんが、もう少し密に書いてほしかったなぁ。

ただ、長いシリーズのラストとしては、今まで登場した様々なキャラクターに見せ場があり、それぞれの想いに決着が付けられていたのは好印象でした。佐伯兄とか、朱浬さんとか。逆にそのために塔貴也の印象が薄くなったのかも。また、シリーズ後半のシリアスモードよりも、スラップスティックの印象がありました。それはそれで、アスラクラインらしい感じがしますね。

特に印象に残ったのが、佐伯 玲子ちゃんでしょうか。今までもあからさまに智春への好意を示していましたが、智春はまったく気付かず、またダブルヒロインの陰に隠れる形で不遇を囲っていました。それがこの13巻でようやく日の目を見たわけで、とてもよかったです。嵩月 奏ちゃんが一番の御贔屓だったのですが、実は、その次ぎに気に入っていたのが玲子ちゃんでした。絵がよかったという理由もありますが。(汗)

さて、そのダブルヒロインですが、結局どちらが勝利したんでしょうか?あの最終決戦のシーンをどう考えるかですね。あの後どうなったのでしょうか?

12巻のラストから13巻の頭でああなった時点で、奏ちゃん贔屓の自分としては、智春は、彼女を選んだんだと思っていますがいかがでしょうか。ラストの奏ちゃんの様子が、寂しげで一人残されたとも採れないことはないですが。(涙)ただ、智春の気持ちに「好きだ」という言葉があったので、恋愛感情的には、奏ちゃんの勝ちだったのかな?

ところで結局「神」って何だったんでしょう。「神」を倒してしまって、世界を守るっておかしい感じもしますが、結局世界はどうなったのでしょう。まぁ、あの人が出てきて、奏ちゃんがああいう行動を採った時点で、・・・(禁則事項)・・・だとは思いますが。後日談で確認しましょうか。

ところで、一つ気になった点が。最終決戦に智春が「黑鐵」で挑むとき、どうして副葬処女(ベリアルドール)である操緒の射影体が姿を見せることができたのでしょうか?う~ん。

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