T 「天山の巫女ソニン 五 大地の翼」菅野雪虫
講談社 ISBN:978-4-06-215520-5

ええぇっ、5巻で終わりだったんですか?知らなかった。

ということで、出版から1ヶ月経ってしまいましたが、完結ということで「天山の巫女ソニン 五 大地の翼」の感想を書いておきます。ご存じのように1巻は講談社児童文学新人賞受賞作品です。

さて、前の巻で「巨山」の不気味な動きが気になったのですが、最終巻ということで、どういう風に着地してくれるのでしょうか?

ということで、感想行きます。

4巻「天山の巫女ソニン 四 夢の白鷺」の感想はこちら

出版からあらすじを引用しておきます。

あらすじ:
3つの国が、思惑を秘めて動き出す。次世代をになう若き王子と王女、そしてソニンの運命は――。
シリーズ完結!

『ノアさま。なぜ、暦は冬から始まるんですか?』
ソニンはふと、幼いころノアにそんな質問をしたことを思い出しました。
『生き物にとって、一番厳しい季節だからよ』
『どうして一番厳しい季節から、一年は始まるのですか?』
『きっと昔の人は、人の一生を、何もない辛いところから、だんだん暖かく、だんだん豊かに、だんだん幸福になってゆくものだと考えていたのね。だからそれを毎年思い直すために、新しい暦は、一番寒い辛い季節から始まるのよ』――

感想:
う~ん、どうなんでしょうね。上手く着地しているんですけれどねぇ。

<以下、本の中身に言及している部分があります。ネタバレはしないように気をつけますが未読の方はご注意を>

このお話しは、「天山の巫女ソニン」なんですよね。でも、ソニンはほとんど何もしません。というか、「沙維」の国の末の王子イウォルもあまり何もしません。「沙維」の国が「巨山」の国の軍に攻め込まれているのにです。

まぁ、「江南」のクワン王子も“活躍”は少ないですけれどね。彼はある決意で行動するんですが、それは場所を変えただけで、特に何かイベントがあったかというと、それもあまりなかったです。

目立つエピソードを持って行ってしまったのは、やはり「巨山」のイェラ王女ですね。最終的には、彼女が全てを納めたようなことになっていますから。

こうなってしまったのは、最終巻ということで、今までの色々な軋轢に決着を付け、しかも登場した人物たちにも一応の出番を与えるという演出をしたからでしょうか。もっと、ソニンを活躍させてほしかったなぁ。

ところでモテモテなソニンですが、最後ということで恋のエピソードがあるかというと、あるようなないような。(苦笑) ソニンが誰を選んで、どういう路を歩むのかは読んでのお楽しみということで。

自分的には、ソニンの最後の選択は、彼女らしくて好感が持てました。でも、周りの人間は、やはり納得できないんじゃないかなぁ。

ということで、この終わりの5巻は、2冊ぐらいにまとめた方が、もっと描き込めていいお話しになったと思います。

一先ずお話しは三国の攻防が終わったということで終わりですが、まだまだ登場人物たちのこの先は見てみたいので、続編が読みたいです。恐らくは、菅野雪虫さんは、この本の人気でオトナ本に移るんでしょう。そのために終わらせたんではないかなという気がします。

どうステップアップしてくれるのか、楽しみです。