D小説版「電脳コイル 8」宮村 優子、磯 光雄
トクマ・ノベルズEdge ISBN:978-4-19-850822-7

小説版:電脳コイルの8巻目です。あれ?5/2 発売?4/30日に売っていましたよ。

もうかなり原作アニメから離れた展開になってきて、実は電脳世界からも謎解きからも外れているのではないですかって気もしていますが、8巻ではどう展開するのでしょう?

アニメ版では登場しない、あの女の子が、かなり重要な位置を占めているのは確かなようですけれど。

ということで、感想行きます。

出版社からあらすじを引用しておきます。

あらすじ:
“信者”たちによって「女王」として祭りあげられていくイサコ――。

裏で糸を引いているのは、大黒小の優等生、イイジマだった。

彼女の狙いは何なのか!? 不安にさいなまれるヤサコは、イサコをとりもどすためのある計画を実行する!

感想:

ほら、あらすじ読んだだけでも、アニメとは違いますよね。で、実際に読んだ感想は、電脳世界は、ただの特殊能力ものに近くなり、さらに人物関係がちょっといやな感じってとこでしょうか。

「イサコ」教の小学生たちの描かれ方が、すごくいやですね。今流行の言葉で言えば、上から目線でしょうか。もちろん、作者の宮村さんには、そういう意識はないのでしょうが、この描き方だと、突き放すだけで、救いがないですね。特に三人組との絡みの辺り。

でも、それは大人の読み方で、まぁ置いておくとして、ファンが読んだ感想としては、やはりアレです、イサコの扱いでしょう。

<以下、小説の内容に言及するところがあります。ネタバレはしないつもりですがご注意を>

イサコが教祖として君臨するために裏で糸を引くのは、もちろんあの少女なのですが、彼女とイサコの関係が納得できないです。「イサコ」教の信者でもないですが、イサコさまは、やはりアニメの通り絶対君主であるべきですね。で、弱みを見せる相手はヤサコでなくてはいけません。だって、この「電脳コイル」は、ヤサコとイサコの物語なのだから。

これがイサコさまが罠に落ちたのであれば、まだ許せるんですよ。恐らくは、ヤサコがイサコさまを取り戻す行動で、二人のつながりを深めようという思惑なのでしょうが、その過程でイサコのこれまでのキャラを否定してしまっているので、納得できないのだと思います。

もうひとつ、それに至ったイサコさまの過去ですね。これはもうやめて~って感じでした。まぁ、それが事実であるかどうかは、結局は明らかにはならないのですが、それが事実ならキャラ設定が根底からひっくり返っちゃいますよね。当初のイサコの一人での行動はどこから来たのって感じになりませんか?

それはさておき、ひとまず「イサコ」教を巡る駆け引きは終了し、いよいよ謎の奥に突入って感じでしょうか。「黒いオートマトン」も出てくることだし。ここで、イイジマをこれだけ活躍(?)させたのだから、彼女もなにか鍵を握る人物なのでしょう。そうすると、アニメ版とは違い、過去に作られた電脳世界に閉じた謎解きではなく、現在のメガマス社にも関わる展開がこの先待っていると考えた方がよさそうです。

自分としては、アニメ同様、もう少し閉じた世界で、ヤサコとイサコの関係を掘り下げてくれた方が、よかったのですが。

ということで、宮村さんの『三番目のユウコ通信』を読むと、次巻もオリジナル展開が待っているようです。しかも、今回のお話から続く?

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