T 「とある魔術の禁書目録 (17)」鎌池和馬
電撃文庫 ISBN : 978-4-04-867591-8

さて、『とある魔術の禁書目録』の原作小説版の最新刊です。

ローマ正教、ロシア成教など、海外の魔術サイドとの抗争が本格化してきており、いよいよ佳境に入ってくるのかなという感があります。学園都市から外に出ることも多くなってきていますし。

で、今回はというと、イギリス清教が舞台ですか。確かにローマ正教との抗争は多かったのですが、イギリス清教は敵か味方かハッキリしないという感もあり興味が湧きますね。

表紙は、インデックスと神裂のねーちんということで、感想を行っておきます。

例のごとく、出版社からあらすじを引用しておきます。

あらすじ:
謎の魔術結社が暗躍するイギリスを上条当麻が駆ける!

イギリス清教『必要悪の教会(ネセサリウス)』最大主教(アークビショップ)・ローラによって『禁書目録召集令状』が布告された。

フランスとイギリスを結ぶユーロトンネルで起きた爆破事件を英国『王室』と共に調査せよ、という任務だった。
その命を受けたインデックスと彼女の保護者・上条当麻は、ロンドン行きの飛行機に搭乗する。和気藹々と空の旅を楽しもうとする二人だったが、機内では謎の人物がハイジャック計画を進めていた……!

銀髪シスターさんの空腹をなだめつつ、事態解決を図る上条の運命は如何に!?

今度の“不幸”は、英国にて開幕!

感想:
えっと、『とある魔術の禁書目録』で、一巻完結ではなく、二巻に話が続くというのは初めてではないかな?

ということで、今回は、以前からきな臭くはあった、イギリスの三派閥、『王室派』、『騎士派』、『清教派』の内紛についてです。もちろん影にはローマ正教とかとの関係がありそうですが、今のところは分かりません。

しかし、内容的には、確かに山場への序曲かなという感じがしてきました。

<以下、本の中身に言及している部分があります。未読の方はご注意を>

今まで登場したイギリス清教絡みの登場人物がどんどん再登場してきていますね。嬉しい限りです。現在、アニメで暴れているあの方も登場し活躍します。

それに引き替え、主人公たちはだめですねぇ。(苦笑) インデックスが主役的な役割りを担って、日本からイギリスに行くわけですが、全然活躍していませんし。餌を探して騒ぐだけ。(汗) ああぁ、なんて空気ヒロイン。

一方、インデックスが活躍しなくてもそれなりに活躍してきた当麻も、ついに「幻想殺し(イマジンブレイカー)」を振るう場面もありませんでしたし。もちろん、それなりに彼を中心として話が進むのですが。

まぁ、物語が盛り上がってきたところで次に続くだったので、次では活躍してくれるのでしょう。

それに引き替え、最近人気の天草十字教の五和は、16巻に続いて大活躍?いよいよレギュラーですか?というか、彼女を出したいが為にイギリスが舞台なんじゃないよね。(苦笑)

さてさて、そう言う余談は置いておいて、物語的にはイギリスが大混乱に陥るわけですが、どうも16巻の後方のアックアから話が流れてきているようです。あの人も再登場しますし。しかし、彼女があっさりやられたのはショックだった。どんだけ、能力がインフレしているんだろう。(苦笑)

ところで、最初のハイジャックのお話は、結局何の前振りなんでしょうか?結局あれがなくても全然ストーリーとして成り立っているし、どう繋がるのか分かりません。18巻への伏線になるんでしょうか?

ということで、海外での闘いが増えると、学園都市の能力者たちが置いてきぼりになってしまうので、非常に寂しいのですが、次ぎも魔術サイドのお話しのようです。