B 「“文学少女”と恋する挿話集(エピソード) 1」 野村 美月
ファミ通文庫(エンターブレイン) ISBN:978-4-7577-4578-0

本編は終了した“文学少女”シリーズですが、宝島社の『このライトノベルがすごい!』の2008年でトップを取るなど、勢いは収まらない様子です。

その勢いを駆って、漫画化、画集発売に続いて、真打の短編集登場です。サイドストーリー中心で、「“文学少女”の秘密の本棚」の内容も多いようですが、まとめ方などもありますので楽しみです。

ということで、“文学少女”シリーズの新刊です。

例によって、あらすじを出版社から引用します。

あらすじ:
FBonline等掲載の短編&SSに書き下ろし4編を加えた豪華短編集!!

柔道一筋、人呼んで「炎の闘牛」。そんな彼が恋をした! 清楚で可憐な大和撫子、その名は……(『”文学少女”と恋する牛魔王』)、「このことは内密に」待望の入部希望者が漏らした呟きには、何やら不穏な気配が!?(『”文学少女”と革命する労働者』)ほか、遠子のクラスメイトとの交流や、美羽&芥川のその後など、ほろ苦く甘い、極上のエピソードが盛りだくさん!

物語を食べちゃうくらい深く愛する”文学少女”天野遠子と、彼女を取り巻く人々の、恋する挿話集第1弾!!

感想:
まぁ、短編集と言っても、ネットのファミ通文庫Onlineで読めているものもあるのですが。全体としては、サイドストーリー的に楽しめました。主要人物で登場しない方が二人ほどいるのが(変な日本語)残念。

それぞれに、簡単感想を。

◆“文学少女”と恋する牛魔王(ミノタウルス)

本歌取り(?)は、ツルゲーネフの『はつ恋』。読んだのは何年前だぁ?
内容は、完全番外編で、笑えます。

◆“文学少女”の今日のおやつ ~『更級日記』~

『更級日記』とな(笑)。あれの登場秘話ですか。(苦笑)

◆“文学少女”と革命する労働者(プロレタリア)

本歌取りは、今年話題になった小林多喜二の『蟹工船』。おお、一発変換。この短編集で唯一、ちょっと後味がわるい話かも。

◆“文学少女”の今日のおやつ ~『万葉集』~

『万葉集』とな(笑)。古典づいてますな。あるエピソードの裏話で、楽しめます。

◆“文学少女”と病がちな乙女(クロエー)

本歌取りは、ロンゴスの『ダニエスとクロエー』。読んだことがないです。「万葉集」のお話とセット的な、ちょっと甘酸っぱいエピソードです。こんなに毒のない恋愛話は、“文学少女”には珍しいかも。

◆“文学少女”の今日のおやつ ~『ムギと王さま』~

これもあるエピソードとリンクするお話。エリナー・ファージョンの『ムギと王さま』は、読んだ気がするけど、覚えていないなぁ。今度再読しようっと。

◆無口な王子(プリンス)と歩き下手な人魚(マーメイド)

本歌取りは、小川未明の『赤いろうそくと人魚』です。アンデルセンではありません。タイトルからわかるように、遠子先輩は登場しませんので。うちの奥の人によれば、酒井駒子さんの挿絵の偕成社版が良いとのこと。うちにはなぜかサイン本が...。彼らは、あまり好きではないのですが、この話は良かったです。

◆“文学少女”と扉のこちらの姫(レイディ)

本歌取りは、ハインラインの『夏への扉』とブラッドベリの『十月はたそがれの国』です。これは、さすがにライトノベル読者とも被るかな?姫倉さんと遠子先輩との出会い編で、一番楽しかったかも。

◆“文学少女”と浮気な預言者(ヨカナーン)

本歌取りは、『サロメ』。有名なのは、ワイルドではないかと奥の人。流人くんのお話。彼が嫌いだったのですが、少し見方が変わりました。

◆“文学少女”の今日のおやつ 特別編 ~『スノーグース』~

本歌取りは、ギャリコの『スノーグース』。さすがに、洋書のままは、読んでいません。遠子先輩卒業後のお話。しんみりですか。

ということで、次は外伝らしいです。ネットにもまだ溜まっていますし、短編集もあと2冊ぐらいはでるのかなぁ?

◇その他の“文学少女”シリーズの感想はこちら。