M先日、作家のマイケル・クライトン氏が亡くなったそうです。ニュースはこのあたり。

最近では、映画『ジュラシック・パーク』の原作小説や、テレビドラマの『ER』の製作や脚本を担当していた人と言えば、分かりやすいかもしれませんね。

今年は、アーサー・C・クラークが亡くなったのもショックでしたが、ミステリ畑でいくとエド・マクベインが亡くなって以来のショックです。

小説家でありながら、映画監督をやったり、テレビドラマの製作をしたり多彩な才能の持ち主でした。ご冥福をお祈りします。

自分のイメージとしては、とにかく時代を先取りしたテーマを使った本を書く人という印象です。しかも、それがノンフィクションをうまく絡めて処理されるので、真実味があり、旬を過ぎても色あせない。というか、時代が彼の小説を後追いするっていう印象です。

とはいえ、別に彼はSF作家ではなく(SF色の強い本も多いですが)、自分の書きたいテーマに合わせて、小説の形態を選んでいたという印象です。自分的には、彼の出世作『緊急の場合は』の印象があるので、ミステリ作家というイメージなのですが。

映画監督も手がけられており、『ウエストワールド』が有名ですよね。ユル・ブリンナーの好演(怪演?)もあって。

でもやっぱり最近では、『ER 緊急救命室』の人なんでしょうか。『ER』自体は、クライトンの短編小説が元らしいのですが、スピルバーグが映画化する予定だったが『ジュラシック・パーク』を選んだとかいう噂は本当なんですかね。

でも、個人的には、彼は小説の人です。

好きな作品を少しばかり。

・『緊急の場合は』
確か、最初に読んだクライトンの小説。ジェフリイ・ハドスン名義だったかな。アメリカ探偵作家クラブ賞・最優秀長編賞をディック・フランシスを押しのけて受賞。

内容は、医学生だったクライトンが、その知識を有効に活用して書いた医学サスペンス。ノンフィクションにフィクションの要素をうまくまじえ、サスペンス性とエンターテイメント性を高めるというというクライトンの手法は、ここですでに見られます。この小説を面白く読んだ自分は、彼をミステリ畑の人と理解しました。

・『アンドロメダ病原体』
宇宙からやってきた病原体によるパニックを描いた作品星雲賞を受賞しているため、SFと思われがちですが、病原体の謎解きとそれにまつわる政府を含んだ人々の思惑をサスペンスフルに描いていることから、自分的にはパニック・サスペンス小説的な評価をしています。

というか、クライトンの小説はノンフィクションの要素とフィクションをうまくミックスするので、サイエンスフィクションのSFとは言い切れない感じがします。SF的な舞台を使ったサスペンス小説って感じでしょうか。

映画化された『アンドロメダ・・・』も評価が高いようで、wikiには、エバンゲリオンに影響を与えたと書かれていました。

・『ターミナル・マン』
トム・ハンクス主演で映画化された、空港のターミナルに住む男の話ではありません。

暴力衝動(だったっけ)を抑えるために、脳にその活動を抑制コントロールするためのチップを埋め込まれた男の話です。「ターミナル」はコンピュータ端末のことです。

こう書いておいて、完全にSFにならないのは、彼が書きたいのがその世界ではなく、サスペンスなどの娯楽・エンターテイメントな部分などにあるからでしょうか。

しかし、ノンフィクションをまじえると、すぐに古臭くなるのが常なのに、彼の作品にはそれがありません。どれだけ時代の先を行っていたのかって感じです。というか、時代が彼を追いかけている気さえします。

・『ジュラシック・パーク』
誰もが知っている小説ですね。映画もハリウッドでパート3まで作られました。

この小説は、琥珀の部分の理屈で、もう大勝利、ノーベル賞ものですね。あれは、わくわくしました。本当にノンフィクションをフィクションの中でもっともらしく語らせると、彼の右に出るものはいないですね。

あと、T・REXを主役にせずに、ラプトルくんが主役になっていたのが、恐竜プチオタクだった自分には、評価が高かったです。

でも、この小説で一番面白かったのは、なんと言ってもカオス理論部分です。おかげで、カオス理論の本を何冊か読んでしまいましたよ。(汗)

ジュラシックパークもハリウッドでパート4が作られているらしいですが、それよりも彼の新作小説が読めなくなったのが悲しいです。

ご冥福をお祈りいたします。