B_6 「“文学少女”と神に臨む作家」下 野村 美月
ファミ通文庫(エンターブレイン) ISBN:978-4-7577-4371-7

いよいよ、“文学少女”シリーズもグランドフィナーレです。

あとに、短編集(「“文学少女”の秘密の本棚」でしょうか?)と外伝は残っているようですが、本筋はこれにて終了です。

しり上がりに人気が向上し、マルチメディア展開も行って、まさに人気の頂点で終わるというのは潔いというか,,,。

ということで読むのが寂しい、“文学少女”シリーズの新刊です。

例によって、あらすじを出版社から引用します。

あらすじ:
それは、“文学少女”の願いと祈りの物語――。

「書かなくてもいい。ずっと側にいる」――そう告げるななせに救われた心葉。
だが、そんな彼を流人の言葉が脅かす。「琴吹さんのこと、壊しちゃうかもしれませんよ」……
そんな時、突然、遠子が姿を消した。空っぽの家に残るのは切り裂かれた制服だけ。心葉は遠子を追えるのか? 
露わになってゆく真実に、彼が出す答えとは? 遠子の祈り、叶子の憎しみ、流人の絶望――その果てに秘められた物語が今、明らかになる……! 
“文学少女”の物語、堂々終幕!!

感想:
シリーズの終幕という意味では、上手くできていました。

ということで、早々に注記を。

<以下、本の中身に言及している部分があります。ネタバレには気をつけますが、未読の方はご注意を>

今回は、心葉を探偵として、遠子さんの両親の死の謎を解くというのが、ミステリ面から見たお話になります。

実は、上巻の感想でも書きましたが、自分はトオコの死がキーだと思っていましたので、入れ替わり(なんの?は読んでから)は予想していました。それだけに毒を盛った人はもう一人の子供だと思っていたのですよ。それを知ったから彼女は消えていこうとしている、なんて考えていました。

違いましたけど。(笑)でも、自分の推理は(予想は)いい線行っていた感じが。(そうか?)

シリーズ内の各サブストーリーのゲストキャラが次々と登場してくれたのはうれしかったです。実際には、このお話は推理ものの形態を採っているだけあって、なかなか悲惨な事件が多かったですから。

そういう意味では、竹田さんではないですが、幸せになっている人たちも多かったのは、そう上手くはいかんだろうと思いつつも、なんだかほっとしました。でも、その竹田さんの終幕だけは、納得できないですが。実際に実行させる必要はないだろうって言う気がすごくします。
そもそも、この“文学少女”シリーズ全体でも、一歩手前でとまるべきと思う部分が多くありましたが。これも、ミステリの装いを纏っているからですからでしょう。

さて、あのラストですが、もうすっかりだまされました。「月花を孕く水妖」でのレモンパイ部分とか、壮大なレッドへニングというか騙しの伏線だったんですね。やられたぁ。

今まで散々、「最後は予想が付きますが」なんて書いておいて、全然違っていたなんて恥ずかしい~。(汗)

で、タイトルの神に臨む作家は、彼女のことではなかったのですね。まぁ、予想は付いていましたけれど。これはね。レモンパイのシーンで(苦笑)。

自分としては、遠子先輩はなんとなく神秘のままで、という希望と、ななせの健気さが気に入っていたんですけれどねぇ。まぁ、ビックリのハッピーエンドですね。(笑)

作者の野村さん、シリーズ終了ご苦労様でした。短編集と外伝もお願いします。

http://www.booklines.net/archives/4757743718.php