P 「七番目の仮説」ポール・アルテ
早川書房(ポケミス1815) ISBN:978-4-15-001815-3

最近ラノベの感想ばっかり書いていたので、ポケミスの感想も久しぶりですかね。全ての本の感想を書いているわけではないので、これもタイミングなんですが。

ということなんですが、夏恒例のポール・アルテとあらば、感想を書かずにはいられません。

ということで、ツイスト博士シリーズ行きます。

ということで、あらすじを出版社から引用します。

あらすじ:
人体消失! 死体移動! 奇怪きわまる事件の謎に挑むのは、もちろん名探偵アラン・ツイスト博士

ペストだ! その一言に、下宿屋の老夫婦は戦慄した。病に苦しむ下宿人の青年を囲んでいるのは、中世風の異様な衣裳に身を包んだ三人の医師。担架で患者を搬出すべく一行が狭い廊下に入ったとたん、肝心の患者が煙のように担架の上から消え失せた! 数刻後、巡回中の巡査が、またしても異様な姿の人物に遭遇する。言われるままに、路地に置かれたゴミ缶の蓋を取ると、そこにはなんと……

だが奇怪きわまる一夜の事件も、実はさらなる怪事件の序章に過ぎなかったのだ。それはさすがのツイスト博士も苦汁を舐めさせられる難事件中の難事件だった。

感想:
ん~、評価が難しい作品ですね。
あらすじに書かれている、冒頭の謎については、確かに魅力的です。(冒頭の魅力的な謎の提示などというと、島田教の信者に思われそうですが、必ずしもそうではありませんよ。)特にペストと仮面の組み合わせが魅力的ですね。

<以下、本の中身に言及している部分があります。未読の方はご注意を>

とはいえ、ラストの種明かしというか、トリックというかはちょっと拍子抜けで、それにびっくりということはありません。
前の「狂人の部屋」でも感じたのですが、偶然に頼りすぎというかご都合主義の感は否めません。

とはいえ、冒頭の謎の提示を含めたカーたち「黄金時代」を彷彿とさせる雰囲気や、構成の妙などはさすがアルテと思わせる部分もあり楽しめました。

次回は、もっとサプライズが欲しいなぁ。