「黄昏色の詠使いVII 新約の扉 汝ミクヴァの洗礼よ」細音啓
富士見ファンタジア文庫 ISBN:978-4829133170
「黄昏色の詠使い」もいよいよ第二楽章です。
そのためかどうか分かりませんが、本の装丁が変わりました。できれば、せめて背表紙ぐらいは、シリーズが続いている間は揃えてほしいところですが。見た感じは、新しい装丁の方が綺麗だし、カッコいいんですがね。
ということで、感想行きます。
出版社から、あらすじを引用しておきます。
あらすじ:
ある触媒の調査のため、名詠士が技を競う凱旋都市・エンジュを訪れたネイトとクルーエルたち。
時を同じくして、謎の空白名詠の使い手・シャオもエンジュに姿を現す。シャオの目的は、ネイトに会うことらしいのだが!?
感想:
第2楽章ということで、ステージを変えて急展開です。
というか、第2楽章自体は、短編集「黄昏色の詠使いVI そしてシャオの福音来たり」の禁律・空奏『そしてシャオの福音来たり』で始まっていた感じですね。
シャオは本格的に活動を始めますし、今まで遠回しに語られていたあの人たちも動き出します。
そして、ネイトとクルーエル達だけでなく、シャオ側の描写が直接的になっています。これまでは、どちらかというと、空白名詠側は思わせぶりな遠回しな描写がほとんどだったと思うのですが。
ただ、直接的な描写が増えたとは言っても、今まで通り叙情的な独特の文章はそのままです。(ちょっと、ガチガチの男性読者には厳しいかも。 )
直接的な描写と言えば、孵石やツァラベル鱗片の謎の一端が語られ始めます。もっと謎解き的な展開があるのかなと思っていたのですが、結構唐突に語られたのでびっくりしました。ちょっともったいないなぁ。
ただし、シャオたち空白名詠側の目的は分かりましたが、その目的が何の意味を持つかはまだ語られていません。
<以下、本の中身に言及している部分があります。未読の方はご注意を>
最後にシャオがネイトに尋ねたことが、その意味になるんだと思うんですが、まだ分かりませんね。
いわゆる「顕世界」とは何かがそれになるんだと思うんですが、アマリリスたち真精がいる場所でもあるわけですが、どうもカインツは何か気付いていますよね。そのカインツが出てこないまま全ての謎解きがされるとは思えないので、ひとまずここでは決着はつかないと思いますがどうでしょう?
どちらにしても、続きが気になります。早く続きが読みたいなぁ。
http://www.booklines.net/archives/4829133171.php
>ステージを変えて急展開です。
最後まで読み終わって、「話進むの、はやっ」って思いました。(笑
でも、それが良かったり。
>今まで遠回しに語られていたあの人たちも動き出します。
動き出しておりましたね。
彼らと闘うのか、語り合うだけで終わるのか。
VII巻までの時点では、分かりません。(汗
>今まで通り叙情的な独特の文章はそのままです。
この巻では、まだ隠しておきたい部分があるからでしょうね。
次巻、次々巻だと、どうなっているのやら。
おそらく、もっと「はっきり」分かるように書いてくれていると
信じております。(笑
>もっと謎解き的な展開があるのかなと思っていたのですが、結構唐突に語られたのでびっくりしました。
シャオ側の登場回数が増えてきたため、謎を解く話にするより、彼らが語る方に変更したとか。
読者が解かなければならない一番の謎は「セラフィノ言語」かなと思っていますし。
>カインツは何か気付いていますよね。
次巻、次々巻でも舞台が変わっていないのに、カインツは登場しているのでしょうか。(笑
「この物語での「探偵的な立場」は誰なのか」と問われたら、カインツと僕は答えますんで、
おそらく彼抜きでは、話が進まないと思っています。
でも、「セラフィノ言語」については、ネイトなのかなぁ・・・。