「電脳コイル 5」宮村 優子、磯 光雄
トクマ・ノベルズEdge ISBN: 978-4-19-850780-0
小説版:電脳コイルの5巻目です。
4巻の感想で、5巻はアニメ再放送が小説を追い越すぐらいかなと書きましたが、この巻から大きな展開がありました。
それは、感想で(笑)。
ということで、感想行きます。
出版社からあらすじを引用しておきます。
あらすじ:
12歳のひと夏、この季節を忘れない・・・
“神隠し”の噂と《メガネ》の秘密を調べはじめた子どもたち。
夏祭りの夜、大事件に巻き込まれて---!?
二人の少女の葛藤と友情、脆さと強さを鮮
やかに描く。
感想:
4巻で気付いておくべきだったんですが、4巻からアニメと時系列が変わってきています。夏祭りと肝試しが逆転しているんです。
なぜ逆転したかというと、夏祭り部分からオリジナル展開なんですね。「クロ」の場面は既に肝試し前に出て
きていたので、夏祭りがオリジナルになっても問題なかったわけです。
見落としていたんですが既に3月時点で作者の宮村さんは、こんなふうにオリジナル展開ですよと語られていました。
<以下、小説の内容に言及するところがあります。ネタバレはしないつもりですがご注意を>
さ
らに、オリジナルキャラも出てきますね。
観音小ということは、タケル関係、猫目関係でしょうか。イサコとヤサコをここで間違えたということは、
ひょっとして「駅向こうの少年」の話はやらないのかな?タケル自身出なかったりして。
さて、ストーリーですが、先にも書いた通りオリジナル展開です。肝試しで騒ぎを起こした子供たちへの親の締めつけなどアニメ版よりリアルになっています。アニメでは時間の枠があるので、どうしても削ったよ うな部分を補填している感じでしょうか。夏祭り自体も意味ありげに上手く使われていますし。
その締めつけに子供たちが協力し立ち向かいま す。子供たちが協力するというのは、小説版ではずっと描かれている部分ですが、終盤に向けて、フミエたちがフェードアウトしていったアニメ版への小説版で示した解かもしれません。イサコも既にヤサコと打ち解けていますし。
で、この巻で一番印象に残ったのがハラケンですね。コーンスープの話は、真剣に怖かった。オカルト的な恐怖ではなく、死への恐怖ですね。
さて、次は猫目が動き出すということで、どんなオリジナル展開になる のでしょうか。それともいきなり「イサコの病室」辺りの話しに繋がるのかな?
色々小説オリジナルの伏線も出てきて待ち遠しいですが、次の発売は7月です!
※気になったところが一つ。イサコとヤサコの眼鏡って、全然形が違ったような。間違えるかなぁ?