Ibwv5iry 「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎
新潮社 ISBN:978-4-10-459603-4

直木賞は、順当に文藝春秋から出版した桜庭一樹さんが採りました。
桜庭さんは大好きなので嬉しいのですが、自分の会社が出版した作品を優先して採らせるというのはもういい加減やめて欲しいなぁ。
伊坂幸太郎も出来が今一つだった『死神の精度』ではなくて、いい作品を文藝春秋から出せば、直木賞を狙えると思うんだけれど。


とりあえず、あらすじを出版社ページから引用&改訂します。

あらすじ:
仙台での凱旋パレード中、突如爆発が起こり、新首相が死亡した。

同じ頃、元宅配ドライバーの青柳は、旧友に「大きな謀略に巻き込まれているから逃げろ」と促される。

折しも現れた警官は、あっさりと拳銃を発砲した。どうやら、首相暗殺犯の濡れ衣を着せられているようだ。

この巨大な陰謀から、果たして逃げ切ることはできるのか?

感想:
いわずとがなの「ケネディ大統領暗殺」に構想を得た作品でしょう。

ストーリー的には、主人公の逃避行、しかも詰め寄られて逃げ、詰め寄られて逃げの連続で飽きさせません。面白くできています。

でも、「ケネディ大統領暗殺」という現実の話を下敷きにしているためか、ちょっと如何にもというステレオタイプのエピソードと、キャラ造詣が気になりました。
真相が判明しないのも、物足りないかも。

主人公の青柳雅春は逃げていることもあって色々制限も多いので、樋口晴子とかはもっと動かしてもいいのではないかなぁ。

構成も凝っていて、時系列をシャッフルすることで、ちょっとしたサプライズを用意しています。また、その構成が最後の部分の余韻を生んでいると思います。

そう、伊坂幸太郎の醍醐味は、最後の着地だというのが持論なのですが、この作品のラストは見事でした。
青柳についてはもう少しひねっても良いかと思いますが、あの手紙とはんこについては号泣ものです。特に手紙は、途中の伏線が効いていて、良かったです。

ところで、既に読まれた方に問題です。
第三部は、誰が描いた文章でしょうか?
分からない方は、森の声を聞いて考えてみましょう(笑)。