Ny3zmjle 「黄昏色の詠使いIV 踊る世界、イヴの調律」細音啓
富士見ファンタジア文庫 ISBN:978-4-8291-1976-1-C0193

最近お気に入りのライトノベル小説をば。
「このライトノベルがすごい!」でも、ベスト10入りしていましたので、すでに読者も多いとは思いますが。

ということで、お初なので、一応“黄昏色の詠使い”シリーズの概要を。


シリーズ概要:
名詠式と呼ばれる任意の物体や生物を出現させる特殊技能が普及した異世界を描いたファンタジー。

名詠式を行うためには、「触媒(カタリスト)」と呼ばれる道具と、「讃来歌(オラトリオ)」と呼ばれる「セラフェノ音語」という不可触言語の詩を用いる。

名詠式は、色相により赤、青、緑、黄、白の5つの系統に分かれ、複数系統の修得は3色が上限とされている。

そんな、名詠式を学ぶためのアカデミーに、イブマリー・イェレミーアスという少女が居た。しかし、彼女は新しい色相の名詠式を完成させることを夢見ていた。それは「夜色名詠式」。
そんな彼女をアカデミーの誰も相手にしていなかった。ただ一人、カインツ・アーウィンケルを除いて。彼もまた、五色全ての名詠式を修得することを夢見ている変わり者だった。
イブマリーとカインツは、お互いの夢を認め、将来その夢がかなったときに再会する約束をしていた。

時は過ぎ、カインツはその夢を叶え虹色名詠士と呼ばれていた。しかし、イブマリーの行方は知れなかった。

そんなある日、赤色名詠式の習得を目指す平凡な16歳の少女クルーエル・ソフィネットは、学園の転校生ネイト・イェレミーアスと知り合う。彼は、13歳でスキップ入学していた。そして、彼の使う名詠式とは「夜色名詠式」だった。

それを境に、クルーエルの周りに様々な事件が起こり、彼女自身にも変化が現れる。

物語は、イブマリーの「夜色名詠式」と、クルーエルが持つ謎の力が中心に展開していきます。そして、「白色名詠式」の亜流「灰色名詠式」が出現します。そして「空白」とは?

「踊る世界、イヴの調律」のあらすじ:
出版社から引用しておきます。

大人は大切なことを忘れている――
アマリリス――その謎の存在が、クルーエルと世界を変える……

「あなたを待っていた」
クルーエルの面影を宿した緋色の少女は、寂しげな瞳でカインツに告げた。

「あなたは、予定運命から外れた存在。――その始まりは、いつだったと思う?」

静かに、世界は変わりつつあった。灰色名詠の真精の襲撃後、体調を崩しがちになるクルーエル。彼女のそばに、何かの気配を感じるネイト。そして、名詠式に用いるセラフィノ音語に隠された秘密に気づくミラーたち……。

緋色の少女は語り続ける。
「わたしは、彼女が殻から抜け出すことを望み、見守るだけ。――そう、わたしの愛しいクルーエルを」

世界が変わる時、ネイトとクルーエルも“変化”を求められる――。存在の意味を問う、召喚ファンタジー第4弾!

感想:
なぜ、出版社のあらすじは、いつも間違っているのでしょう(笑)。誤字を訂正しておきました。

“黄昏色の詠使い”シリーズに手を出した理由は、イラストが竹岡美穂さんだったからです。“文学少女”シリーズの絵師さんですね。

読んでみると、まぁ当たりです。新人さんなので、人物描写に問題があり、誰が誰か分かりにくいとか、視点の移動と地の文の関係の切替えがしっくりこないとかありますけれど、世界観の構成に成功していて、なかなか面白いです。

藍麦的には、やはりクルーエルが贔屓なのですが、どちらかというと、ライトノベルにありがちなキャラに比重が置かれているような話ではなく、物語とその世界、そして謎に重きが置かれているため、その世界に浸る形で読むことが好きな人向きでしょう。

特に、世界については、作者の細音啓さんが自分のHPで用語解説を書いているぐらいにしっかりと考えられているようです。
あと、「讃来歌(オラトリオ)」を表現する「セラフィノ音語」でしょうね。きちんと言語について考察されているようなので、種明かしが楽しみです。

でも、これはアニメ化は無理だなぁ。「セラフィノ音語」を表現することができないから(苦笑)。