H2qwdaqn 「GOSICKs III ―ゴシックエス・秋の花の思い出―」桜庭一樹
富士見ミステリー文庫 ISBN:978-4-8291-6387-0-C0193

「砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない」がハードカバーで再販されたりして、もうすっかり時の人になりつつある桜庭一樹ですが、ラノベを捨てることはなく、しっかり書いてくれているので、好印象です。


とりあえず、あらすじを出版社ページから引用&改訂します。

あらすじ:
ベルゼブブの頭蓋から辛くも脱出した一弥とヴィクトリカは、学園へとたどり着き、また平穏な学園生活を送っていた。

時は1924年、秋。二人は、伝記の裏側に隠された数々の時代のエピソードの謎をといていく。

感想:
ということで、GOSICKsなので、短編集なのです。
今回は、初期の安楽椅子探偵の形式に戻って、しかもその形式の真骨頂と言える、病気の探偵が歴史の謎に迫るというミステリ好きには、苦笑いが出てくるようなお話になっています。
(時代ミステリって、そんなに需要があるわけではないと思うのだけれど。)

まぁ、歴史といっても、そんなに気にすることはなく、一弥が病気で動けないヴィクトリカの為に持ち込む図書館の本に書かれている謎を、「そんなこともわからないのか」と彼女が解いていくいつものパターンには違いありません。

ちょっと凝っているのが、すべて花に関係する内容になっていることですかね。

謎自体は、取り立てて騒ぐ様なトリックがあるわけでもなく、作中作の物語も短いので、あくまでも、様式美とヴィクトリカ可愛いと楽しむのが宜しいかと思います(笑)。

あと、本編に繋がるような記述が最後の方にありますが、短編集が本編に繋がるというのは、最近の流行りなんですかね。あまり誉められたものではないと思いますが。

とにかく、アブリルがもう少し活躍すると嬉しいなぁ。