Dalonvlf 「図書館戦争/図書館内乱」有川 浩
メディアワークス

「塩の街―wish on my precious」の有川さんということで、気になっていたのですが、「図書館戦争」が「本の雑誌」が選ぶ2006年上半期エンターテインメントの第1位になり話題になっちゃったので、アマノジャクな藍麦は読み逃していました。
別に身内に図書館関係者がいるため、敬遠していたわけではありません。たぶん。
ということで、祭日を使って2冊一気読み。

結構ご存じの方も多いでしょうが、一応あらすじというか、セカイ系ということで世界観の整理。

あらすじ:
20世紀の終わり、日本では公序良俗と人権を守るためというお題目の基に、『メディア規制法』が施行された。この法律によって、国による出版への検閲が可能になり、言論・出版の自由に制限が設けられることになる。そんな近未来のお話。

この『メディア規制法』による検閲を遂行するためにできた組織が、法務省に属する「メディア良化委員会」。彼らは、この法律を盾に、書店や取り次ぎから、「検閲」と称して書籍を徴収していった。

『メディア規制法』成立を見過ごしたマスメディアは、もはや「メディア良化委員会」の敵にはならなかった。ただ一つその理念から彼らに対抗した組織があった。それは、「図書館」だった。

果たして、検閲として本を徴収する「メディア良化委員会」と、自衛のための「図書隊」を組織して本を守る「図書館協会」の衝突はエスカレートし、武力衝突を繰り返すようになった。

そして、図書隊員として、まっすぐな本好き女性が就職するところから物語が始まる。

感想:
うん、面白いですね。すいすい読めるし。
まさにライトノベルスです。内容もそれなりに考えさせられるところと、エンターテイメント性がうまくバランスを採っていて、いいんじゃないでしょうか?

だから、ハードカバーでこの値段を見せられると、う〜んとなってしまいます。高いですよ。星半分減点です。

藍麦としては、最近のメディアワークスのハードカバー化については、出版不況下の営業戦術としては文句をつけるつもりはありません。売れる総数が限られるのならば、そういう売り方もありでしょう。

でも、読者層を考えてほしいなぁ。この本なら、やっぱり中・高校生に読ませたい。楽しみながら、知る権利や言論の自由について考えてもらうにはいい小説だと思うのですよ。ならばやっぱり高い。文庫で出すべきでした。有川浩がメディアワークスのハードカバーシリーズのフラグシップなので無理なのかもしれませんが。

まぁ、それは置いておいて、内容的には、いかにもステレオタイプではありますが、キャラがしっかりと書かれていて、その絡みのエピソードや事件も手に汗握る展開で面白いです。

「図書館戦争」は、主人公・笠原郁の成長(いや図書士としての第一歩?)と、歴史的資料を巡る「図書隊」と「メディア良化委員会」との攻防がテーマです。
それに対して、「図書館内乱」は、一冊目で登場したサブキャラたちのお話と、図書館側の第三の勢力を中心とした内部抗争がテーマです。

実は、藍麦は、例によって主人公の笠原郁には感情移入できていないので、「図書館戦争」よりも「図書館内乱」の方が面白く読めました。小牧教官の話は、ちょっとあれですが。

ということで、もちろん藍麦が一番肩入れしているのは、柴崎麻子です(笑)。心象風景にもなじみます。ぶちっと考えなしに行動するところは、郁ですが(汗)。

作者の有川さんが「月9連ドラ風」小説とおっしゃっていましたが、きっと早いうちにテレビドラマいや映画かなになるでしょう。今のうちに読んでおいて、あとで大きい顔をしましょう(笑)。

さて、うちの司書の人に「図書館の自由に関する宣言」知ってるか〜って聞いてみようかな(汗)。