Ordxaplg 「ヘルファイア・クラブ 上/下」ピーター・ストラウブ
東京創元社 創元推理文庫 ISBN:4488593054

ううう、お金がないといいながら、上下巻2500円、帯の「ストラウヴの最高傑作登場」の言葉に釣られて買ってしまいました。
ぐぎぎぎ。

ということで、察しの良い方はお分かりでしょうが、この本はホラーではないですね。だから、エントリも「周辺ミステリーひょ〜ろん」になっています。
そろそろ、ホラー評論を作って、もう少し細分化してもいいかなと思っていたのですが、これはミステリーですね。

あらすじを東京創元社から引用。
『連続殺人に震える町で、ノラの友人ナタリーが寝室に血痕を残して消えた。彼女の本棚には、謎の作家ヒューゴー・ドライヴァーの、熱狂的なファンを持つファンタジー『夜の旅』が。この事件を機に、ノラは義父の経営する出版社〈チャンセルハウス〉が半世紀以上も秘めてきた、この本をめぐる謎に引き寄せられていく。だが、そのために彼女が次々に災厄に見舞われる。冤罪、離婚の勧告、そして殺人鬼の拉致! ストラウブの最高傑作登場。』

もう、ストラウヴに『ゴースト・ストーリイ』などのホラーを期待してもだめなのかもしれません。
ストーリーは、お得意のメタ構造になっていて、「夜の旅」の小説の世界(出版世界?)と絡みながら話が進んでいきます。前半は、その世界に慣れるまでとまどいますが、後半はすんなり読めます。ちょっと中だるみがあるのが惜しいかな。

ショアランズの話がでてきた辺り、つまりメタ化が進む辺りが一番分かりにくいかも。これから読む方は、そこを越えればさくさく読めますので、安心してください。

説明するとネタバレになりそうなのですが、この小説を楽しめるかどうかは、うまくノラに感情移入できるかどうかに掛かっているような気がします。ノラの旦那のディヴィーにイラついたり、ディックを訝しんだりできるかどうかで感想は変わってくると思いますので、世代がずれる10代の若い人には向かないでしょう。

藍麦としては、「夜の旅」に取り込まれてホラーというかダークファンタジーに傾く話が読みたかった気がしますが、そうなると主人公が若者でないといけませんね。

この辺りが、ホラーの巨匠キングとの違いかもしれません。キングは、若い人でもすいすい読めますから。