Rdrhxjkc 「リリアとトレイズIII/IV イクストーヴァの一番長い日」時雨沢恵一
電撃文庫 1228 メディアワークス ISBN:4-8402-3342-X

「キノの旅」で有名な時雨沢恵一氏の新しいシリーズの最新刊です。イラストはもちろん黒星紅白さん。
この話は、「リリアとトレイズ」からではなく、その前の「アリソン」シリーズから読んでください。一連の話になっています。

あらすじ:
あらすじというか、とりあえずこのシリーズの前提、世界観のお話から。

リリアとトレイズが住む世界は、大きな大陸が一つだけ存在します。その大陸は、中央を南北に流れるルトニ河を境に、東にロクシアーヌク連邦(通称ロクシェ)、西にベゼル・イルトア王国連合(通称スー・ベー・イル)という大国が支配しています。この二つの大国は、どちらが歴史的に先にできたか、という実にくだらない理由で長年戦争状態でした。

ここまでが、「アリソン」のお話し。

で、そのアリソンの娘リリアと、アリソンシリーズでおいしいところを持って行くある人の息子トレイズが主人公なのが「リリアとトレイズ」。そして、長い間続いた戦争がようやく終わって、平和になった後のお話です。

で、平和になったといっても紛争の種は尽きず、秘密組織や小国転覆を狙うテロリストが登場し、それに立ち向かうリリアとトレイズを描くアドベンチャー活劇です。

感想:
相変わらずリーダビリティが高いというか、読みやすいですね。あっという間に読めてしまいます。小学生が「キノの旅」を読むというのもわからんでもないです。

でも、人が死にすぎ、殺しすぎ。
この世界は戦争をしてきた歴史があるので、誰もが銃器を扱うことに違和感を持たないのかもしれません。でも「戦争だから」とあっさり敵を殺してしまうのには不快感があります。リリアもトレイズが人を殺すことではなく、危ないことをすることに怒っている始末ですから。
まぁ、女王様が「法の裁きを」というところに、一応反戦っぽい雰囲気もありますが。

ひょっとするとこのシリーズは続くかもということなので、トレイズの成長として、その辺りを描いてくれるとうれしいな。なんといっても、話は全然終わっていませんから。伏線らしきものも張りっぱなしだし。
双子の戦いの結果をぜひ知りたい。(笑)