Qers4pw1 「陽気なギャングの日常と襲撃」伊坂幸太郎
祥伝社ノン・ノベル ISBN:4396208138

映画公開された「陽気なギャングが地球を回す」の続編です。
映画公開を狙ったように出版されました。って、狙ったんでしょうが。

「陽気なギャング」シリーズとは、映画の煽り文句をもらうとこんな感じです。

『“人間嘘発見器”である成瀬、コンマ1秒まで正確に時がわかる正確無比な“体内時計”を持つ女雪子、口から生まれてきたようないい加減な理屈をこねる演説の達人響野と、生まれついての若き天才スリ師久遠。実生活においては何の役にも立たない奇妙な能力をもつ4人の男女が出会ったとき、ロマンあふれる犯罪計画が動き始める!』

という感じです。とにかくテンポがいい。軽妙な語り口とどんでん返しを十分に楽しめます。

今回は、第一章で「陽気なギャングの日常」が一人ワンストーリーの形で描かれ、第二章以降でそれが見事に集束するという形を採っています。まさに、伊坂得意の構成ですね。そういう意味でも安心して読めます。

そして、安心してください。ここしばらく重いテーマに流れて、あまり見られなかったどんでん返しが見事に着地しています。あまりに見事すぎて、第一章から読み直してしまいましたよ。あれが伏線だとは。

まぁ、きっとご都合主義だという人がきっといると思いますが、エンターテイメントとして楽しんで読むのが正解だと思いますよ。きっと、柔道部のシーンでは、大笑いできるでしょう。どんな場面かは、読んでのお楽しみに。

藍麦は、この「陽気なギャング」シリーズが、他の伊坂本と一線を引いているのは、きっと響野のおかげだと思います。成瀬とか雪子は、伊坂得意のキャラクターですよね。そうでない響野がしゃべりまくることで、このテンポが生まれてきている気がします。ってかなり当たり前のことを書いているなぁ。

この小説を読むと、映画版が見たくなってきてしまいました。でも、佐藤浩市の響野ってちょっとイメージが違うな、大丈夫かなぁ。鈴木京香の雪子は、意外にぴったりかも。少し老けている気がしますが。(汗)

で、絶賛しているのに☆一つ足りないのは、ギャングシーンが少なくて、響野の演説が喰い足りなかったからだったりします。「田中さんに頼りすぎ!」だからではないですね。(笑)