A6vzetcw 「QED〜ventus〜熊野の残照」高田崇史
講談社ノベルス ISBN:4-06-182440-6

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高田崇史のQEDシリーズの最新刊です。
最近、QEDシリーズにもシリーズ内シリーズができたようで、『ventus』(風?)と銘打たれています。これはその2冊目。

藍麦が読んだ限りでは、事件に重きを置いたノーマルなミステリに近いものが無印。歴史ミステリに重きを置いた事件らしい事件が起きないものが『ventus』シリーズという感じがしています。

今回の話は、熊野を舞台に、高田氏お得意のその暗部を炙り出すという構成になっています。熊野の暗部解明がメインかな。『ventus』なので、事件らしい事件は起きませんが、一応<自主規制白文字>叙述トリックを使って、殺人事件を絡めてあります。が、如何せんそれが本編の歴史解明というか、「たたる」桑原祟の解説とつながって来ない。作者はたぶんつなげているつもりだろうけれど。[E:shock]

最近のQEDシリーズ全部に言えることだけれど、事件が本当に取ってつけたようになっていて、学術新書を読んだ方が面白いのではという感じなんですよね。[E:sad] キャラクターがいいのと語り口がうまいのでまだ読ませるのですが、どんどん悪化している気がするので、そのうち読まなくなるかも。

今回の熊野なんて最高の素材を使いながら、やっていることは観光地周り(しかも説明が薄っぺらい)と、初めから回答を持っているたたるの解説だけなんだよね。もう殺人事件とかは捨てて、歴史ミステリに特化してしまった方が面白くなりそうな気がする。やっぱり探偵は、謎を追わなくっちゃね。それが安楽椅子のパターンでも。

歴史ミステリとしては、高木彬光の「成吉思汗(ジンギスカン)の秘密」(ハルキ文庫、藍麦が読んだのは角川文庫版)とか、ありきたりだけれどジョセフィン・テイの「時の娘」(ハヤカワ・ミステリ文庫)がお勧めです。[E:smile]