Lgccrwv_ 「死神の精度」伊坂 幸太郎
文藝春秋

伊坂 幸太郎は、藍麦が今一番好きな作家の一人です。ミステリに分類すると違和感がある人も多くいるでせうが、この本の中の表題作「死神の精度」で第57回日本推理作家協会賞短編部門を受賞しているからまぁいいでしょう。

内容紹介を文藝春秋から引用させてもらうと、「ある時は恋愛小説風に、ある時はロード・ノベル風に、ある時は本格推理風に……様々なスタイルで語られる、死神の見た6つの人間模様」ということになります。

なんのことやらって感じですが、「死神」−指定された人間の生死を判断すること−を職業とする男が、指定された6人の生死を判断する際に見たこと(感じたことではない)を綴った物語です。6つの短編からなっていますが、伊坂作品らしく、その短編構成に仕掛けがあり、最後に見事に集束して行きます。

で、感想です。
確かに面白いのですし、世の中では絶賛のようですが、藍麦が伊坂作品に対する期待度は、ひじょーに高いのでいま一つかなと思ってしまいました。理由は恐らくその文章のスタイルにあります。6つの短編がその設定に合わせて、違ったスタイルで書かれていますが、それがばらついた印象を与えてしまっていると思うのです。特に「吹雪に死神」は、ミステリファンの藍麦が甘く見てもやりすぎだと思います。

雰囲気的には、映画の「ベルリン天使の詩」が近いと思うので、全体をロード・ノベル調で通せば良かったのではないかなぁ。

ただ、伊坂が全体に仕掛けた「××」トリック(自主規制)は見事に決まっていますので、読んで損はないです。また、最後の短編の海辺のシーンには絶対に感動します。[E:smile]

恒例(?)の「伊坂 幸太郎」作品の藍麦的ベスト3を選ぶと...

1.ラッシュライフ
同じく短編構成ですが、・・見事なミステリーです。
2.グラスホッパー
殺し屋の物語ですが、ラッシュライフよりミステリーではありません。
3.陽気なギャングが地球を回す
「オーデュボンの祈り」でも「アヒルと鴨のコインロッカー」でもいいです。(^_^;