kuro7「棺担ぎのクロ。〜懐中旅話〜」7 きゆづきさとこ
芳文社 KRコミックス ISBN:978-4-8322-4964-6

さて、いよいよ長く続いた「棺担ぎのクロ。〜懐中旅話〜」も最終巻です。
コミックスの発行期間としては約1年半ということで、ごく普通の間合い通りちと長めということになりますが、ページ数的にも通常よりも分厚かったですし、何しろ内容が濃いので、よくこの間合いで出したなぁと逆に思うぐらいでした。

このあと半年後の2019年2月に「外伝」と画集が出るということが、この最終巻に合わせて告知されました。最終巻の発売時期といい、きゆづき先生がかなり頑張っているんだろうなぁという感じです。多分、他にお仕事入れていないんだろうなというところですか。
「棺担ぎのクロ。〜懐中旅話〜」、「GA 芸術科アートデザインクラス」両方の連載が終わってしまったので、そろそろ新しいお仕事をやっていただきたいところなんですが。

さて、この「棺担ぎのクロ。〜懐中旅話〜」としては、6巻で”過去”として「ハカセ」の研究、研究の行き詰まりと「ヒフミ」の出会い、「ヒフミ」がいなくなり、「ニジュク」と「サンジュ」が産まれ、「ハカセ」が去り、「ニジュク」と「サンジュ」とクロが出会うところが描かれました。
一方”現在”として、クロがどんどんと壊れて行って「ヒフミ」に近付いていく様子が描かれました。

わからなのは、「はじまりの国」ですが、「でんせんびょう」の根源を描くためですかね。

ということで、もう時間がないクロがどうなるか、ハッピーエンドを迎えられるのか「棺担ぎのクロ。〜懐中旅話〜」7最終巻です。

ではまず、出版社から、あらすじを引用しておきます。


あらすじ:

ついに魔女ヒフミと対峙するクロ。 ここが探し求め、歩き続けた旅路の終わり。 果たして黒き呪いの結末は!?
まんがタイムきらら誌の中で圧倒的異彩をはなった人気作。 10年を超える連載を終え、今堂々の完結!


感想:

なんといっても圧倒的に面白かったです。


あらすじで出版社が書かれている通り、連載が始まったのが『まんがタイムきらら』2005年1月号ですから、時間では13年半ですね。ただ2巻~3巻の間に休載がありましたから、連載期間としては10年くらいですか。

『まんがタイムきらら』が萌え四コマ主体の雑誌なのですが、それからすると全くマッチしない作風です。絵柄のキャラだけですね、「GA 芸術科アートデザインクラス」もかなり外れると思いますが、こちらは昔で行くとWingsとかに載っていてもおかしくないお話しでしょう。

ジャンルとしてはダークファンタジーというか、幻想童話的なお話しでしょうか。コミックスと、ダークファンタジーとは相性が良いとは思うのですが、ただ、その中でも異質であり、良質だと思います。


<ここから先にはネタバレを含みます。根幹は書かないようにしますが、未読の方はご注意を。>


さて、お話しは、最終巻ということもあって、今までとは違ってクロ、セン、「ニジュク」、「サンジュ」と「ヒフミ」との関係を中心に進みます。

今まででの描写でも、クロと交信していたことからも、どうやら「ヒフミ」はずっとそばにいたようだったのですが、それが明確になったのがポイントですか。というか、クロが見ようとしていなかったですか。


そして、そして、もうひとつクロとセンのかつての関係が明確にされました。まぁ、6巻まででもある程度みえていたのですが、最後(最初)のタイミングが描かれたのは初めてでした。


あと、「はじまりの国」ですね。あの「黒い旅人(フカシギさん)」と同じなのですが、ちょっとこれは意表をつかれました。「ハカセ」との関係も含めてですね。


結局、「ヒフミ」も含めて、クロとの関係があったということですが、その関係を「ヒフミ」や「セン」が思い出すことで、つながったわけですね。


ただ、やはりポイントとなったのは、「ニジュク」、「サンジュ」でした。彼女たちが「ハカセ」と関係のなかで二人は何にでもなれるというのがラストへのポイントとなりました。

この部分がラストに繋がるわけですね。


自分の考えでは、6巻段階では、ラストシーンは、「サンジュ」がクロの黒を自分で受け取って修復したり、以前「ニジュク」が耳や羽根を黒くしたことから、「ニジュク」、「サンジュ」がクロの「でんせんびょう」を受け取って死んでしまうようなバッドエンドを想像していました。

しかし、このラストは、「ヒフミ」もセンも、「ニジュク」、「サンジュ」も、そしてクロも幸せになるハッピーエンドですね。ただ、とらえ方によればですが。本当のハッピーエンドは、共に戻ることを読者は想定しているんでしょうけれど、それは叶わなかったのですから、違うともとれますか。


ただ、あの意表をついたラストは、やはりハッピーエンドでしょう。素晴らしかったです。泣けました。


さて、ひとつ「でんせんびょう」の正体ですが、まぁすぐ答えを予想できるですが、そこは言わぬが花でしょうね。


ということで、外伝がたのしみです。